全イでヤクルト育成2年目の赤羽由紘内野手(22)が、「フレッシュオールスター2022」で史上初をやってのけた。4-4の9回2死一、二塁、全ウ広島大道の148キロをたたき、左越えに3ラン。「サヨナラホームランは初めてです。めちゃくちゃ、うれしいです!」と興奮気味に話した。本人にとってだけでなく、フレッシュオールスターのサヨナラホームラン自体が史上初。もちろん、MVPに選ばれた。

売りはパンチ力のあるバッティングだが、それまでの2打席は、ともに走者なしで四球を選んだ。最後に巡ってきた好機。「みんなが粘って、回してくれた。打ってやろう」とMVPを意識した。初球、2球目と直球にタイミングが合わず空振り。小指分だけ短くバットを持ち直した3球目にパチーンと合わせ、文句なしの当たりを放った。

高校からBC・信濃をへて、20年育成2位で入団。チームの偉大な先輩に憧れる。「山田哲人選手みたいに打てたらいい。直接お会いすることがなかなかないんで、キャンプの時に打撃を間近で見て吸収できたらと」と、1軍に抜てきされた今春キャンプで貪欲に学んだ。「まずは支配下にならないと1軍に上がれない。バッティングでアピールできれば」。辞退者の代替でつかんだ舞台で確かな1歩を刻んだ。【古川真弥】

◆赤羽由紘(あかはね・よしひろ)2000年(平12)6月29日、長野県生まれ。日本ウェルネス筑北(現日本ウェルネス長野)の1期生。卒業後は19年からBC・信濃でプレーし、20年育成ドラフト2位でヤクルト入団。昨季はイースタン・リーグで73試合出場、打率2割3分4厘、6本塁打、31打点。今季は春季キャンプで1軍スタートし、同リーグではここまで45試合出場で打率2割3分7厘、3本塁打、23打点。内外野を守れる。175センチ、79キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸300万円。

▼サヨナラ3ランの赤羽(ヤクルト)がMVP。63年から始まったフレッシュオールスターで、サヨナラ本塁打は今回が初めて。サヨナラ試合は81年以来、41年ぶり2度目。この年は延長11回に藤倉(阪神)がサヨナラ安打を打っている。なお、ヤクルトのMVPは昨年の内山壮以来6人目。