目前の申告敬遠にも、ラオウは冷静だった。オリックス杉本裕太郎外野手(31)が決勝適時打を放った。同点の7回。2死三塁から歩かされた吉田正が盗塁し、二、三塁となり、きっちり左翼に運んだ。「佐野(皓)がヒットで出たときから(吉田)正尚が申告敬遠されるだろうなと思いながら準備してました。打点のチャンス。『よし、きた!』という気持ちでした」。チームトップの今季9度目のV打に、一塁ベース上で拳を強く握った。

試合前には、その手にスプーンを持ち優しくプリンをすくった。前日29日の9回に起死回生の同点13号3ラン。先発した山崎福に「負けを消してくれてありがとう! なんか買ってあげる!」と言われたのがきっかけ。「じゃあ、プリン買ってきて! って頼んだら、7個…」とラオウは大爆笑。さすがに一気に食べ切れず「まだ2個しか食べれてない。今日試合前に食べたんで、夜も1個食べようかな」とおどけた。

7個のプリンに加え、夏バテ対策はアイス。「幕張だったらミニストップのハロハロ! 好きですね」。チーム宿舎から唯一外出ができるコンビニへウキウキ気分で出向く。中嶋監督は「今、状態的には非常に良い」と球宴休みでリフレッシュし、心身とも充実している主砲を絶賛した。

4連勝で50勝に到達。3カード連続の勝ち越しも決め、貯金は今季最多の3。2位ソフトバンクに0・5差と接近し、首位西武とも2差と、視界良好。残り46試合。逆転での2年連続リーグ制覇は、ラオウ杉本の昇天連発が鍵を握っている。【真柴健】

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