ソフトバンク板東湧梧投手(26)が2年ぶりの白星を先発としての自身初勝利で飾った。日本ハム戦(ペイペイドーム)で2年ぶり2度目の先発。6回途中1安打無失点の好投だった。リリーフとして活躍する右腕が、千賀、大関が離脱している先発陣を救い、チームの日本ハム戦の連敗を6で止めた。首位西武が敗れたため、ゲーム差は1.5になった。

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お立ち台に立った板東が、端正な顔をほころばせた。2年ぶり白星、そして先発では自身初のウイニングボールを手にし「やっぱりうれしいですね」と、さわやかに笑った。

2年ぶりの先発で不安もあった。だが、初回を3人斬りで立ち上がり、「緊張したんですけど、入りでいい球を投げられた。『行けるぞ』と思えたので、割り切っていきました」と乗っていった。3回まで完全投球を続け、先頭に死球を与えた4回もしのいだ。6回途中無失点と堂々の投球だった。

昨年オフから先発挑戦し、ローテーション入りを目指してきた。だが、キャンプ直前の新型コロナウイルス感染などで出遅れ、かなわず。今季はここまで18試合の中継ぎ登板にとどまっていた。エース千賀や大関が離脱し、杉山も不振で回ってきたチャンスで結果を残し「自分としては先発でやりたい思いがある。こういう投球を続けられればチャンスがあると思う。そこを勝ち取れるように」と、逆襲での先発定着を誓う。

チームにとっても6連敗中だった日本ハムに、引き分けを含めて8試合ぶりの勝利。カード別最多の25発を打たれ、勝てなかった7戦で13発だった本塁打も許さなかった。藤本監督は「甘いところに行ったら、あれだけ振ってくるのでね。コントロールミスが一番怖い。それが、今日の板東にはなかったですね」と、右腕をたたえた。

首位の西武が敗れたため、ゲーム差は1.5に再接近。藤本監督は「日本ハムに負け越しているのはうちだけなんでね。ソフトバンクはやりやすい、と思われたくないからですね」。このまま一気に、日本ハム戦3カードぶりの勝ち越しを狙う。【山本大地】

◆板東湧梧(ばんどう・ゆうご)1995年(平7)12月27日、徳島県生まれ。小2から投手兼遊撃手として野球を始める。鳴門3年時に春夏甲子園出場。JR東日本では17年日本選手権、18年都市対抗に出場。18年ドラフト4位でソフトバンク入り。20年にリリーフでプロ初勝利を含む2勝。昨季は中継ぎで44試合に登板。182センチ、76キロ、右投げ右打ち

○…4番柳田は先制の2点適時打を含む今季2度目の4安打で貢献した。3回2死二、三塁。カウント1-2と追い込まれたが、ポンセのナックルカーブをうまく中前に運んで2走者を迎え入れた。「追い込まれてしまったので、必死に前に飛ばすことだけを考えました」。2回の内野安打を含め、その後も右翼線二塁打に右前打。首位奪回へ、柳田の復調は必須。「試行錯誤しながら、明日も頑張っていきたい」とお立ち台で活躍を誓った。

▽ソフトバンク野村勇(8回、代打で中越え適時二塁打) 打ったのはスライダー。とにかくチャンスだったので、思い切って自分のスイングを心掛けました。チャンスを生かすことができて良かったです。

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