代替選手が攻守で穴埋めた。広島大盛穂外野手(25)は前日23日に発熱した秋山に代わって代替選手として24日、1軍昇格し、ヤクルト20回戦(神宮)に「7番中堅」で即スタメン出場。

5回には2年ぶり通算3本目の1号ソロを放った。中堅守備でもレーザービームで本塁生還を狙った村上を刺すなど攻守で秋山の穴を埋めた。チームは逆転負けで今季2度目の6連敗。借金は最多「8」となり、最下位中日に1ゲーム差に迫られた。

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会心で振り抜いた放物線は細かい雨を切り裂いた。雨具を着ても、熱い応援を送っていた広島ファンの待つ左翼席に到達した。5回1死から放った今季1号ソロは20年10月6日阪神戦以来687日ぶりの1発。「(2球続けて真っすぐで)真っすぐをしっかり狙って振ろうという気持ちでいった。手応えは普通に良かったが入るとは思わなかった」。ヤクルト高梨の配球を読み切り、アーチにつなげた。

1-0の2回無死満塁の中堅守備では中村の中飛を本塁へワンバウンド返球。タッチアップした三塁走者村上を刺した。「定位置よりは前のところだった。良い入り方して投げようとずっと守りながら思っていた。理想通りにできた」。同点生還を阻止するレーザービーム。ベンチからの拍手に帽子を取って応えた。

攻守に渡る貢献。“代替”どころか主力級の活躍だった。23日に発熱し、特例2022で出場選手登録を抹消された秋山の代替選手としてこの日、1軍昇格となった。「本格的に(昇格が)決まったのは(23日夜の)8時か9時くらい」。緊急昇格にもかかわらず神宮で躍動。不安視されていた秋山の穴を埋めるには十分の働きだった。

前日は社会人とのプロアマ交流戦JABA広島大会がマツダスタジアムで行われ、ダブルヘッダーだった。大盛も2試合フル出場。2日で3試合の過酷日程に加え、この日東京に4時間かけ、移動してきた。タフな2日間も「(1軍に)上げてもらえることの方が大事。こういうチャンスはあまり回ってこない。しがみついていかないといけない」。チームには不本意な秋山離脱だが、その分の機会が巡ってきた。25歳は目をぎらつかせたまま次戦に備え帰路に就いた。【前山慎治】

▽広島河田監督代行(秋山の代替選手、大盛の活躍に)「良い内容の打撃を見せた。『ここがチャンス』と思うかどうか。がむしゃらなところを見たい」

○…広島西川が11戦ぶり8号ソロで先制点を呼んだ。1回2死からヤクルト先発高梨の内角147キロ直球を右翼席へ運んだ。「2死から良い先制点になった」。秋山離脱の余波で前日23日から3番に入った。前夜は4打席無安打に倒れたが、この日は4回の左前打と合わせて今季28度目の複数安打。既定打席は未到達だが打率は3割1分3厘を誇る。

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