今回の28人には、オリックス山本、吉田正、広島菊池涼ら、WBC本戦での選出が濃厚とみられる選手は含まれていない。エンゼルス大谷、パドレス・ダルビッシュといった参加が期待されるメジャーリーガーもいない。11月の4試合が、本戦選出のためのサバイバルとなる側面はある。だからこそ、栗山監督は「今回選んだ選手たちが、このメンバーで(3月も)行くくらいの結果を出してくれると信じている」と期待した。

過半数の15人がトップチーム初選出。現時点で30代はヤクルト中村、山田の2人だけで、フレッシュな顔触れがそろった。ただ、意図して“若侍”を選んだわけではないと強調した。視察や首脳陣との議論を重ねて出した結論だ。「あえて若いから選んでいるというのは一切ない。能力を発揮してくれると思って選んだら、そういうことに気が付いた」。結果的に楽天だけ選出なし。球団のバランスを取ることはしなかった。

視察を続けていた頃、「代表に入りそうな選手を何となく選ぶことはしない」と繰り返していた。まずは村上でも複数ポジションを求め、先発投手はリリーフの適性を探る。球数制限があるWBCは継投が不可欠。抑えについては「絶対的な後ろを作る方がいいのか、相手によって変えられる形がいいのか」と決めていない。二刀流、オープナー、極端シフト等々、常識にとらわれない栗山監督だから打てる手があるはず。世界一奪回のための最適解を見つける。そのための28人を選んだ。【侍ジャパン担当=古川真弥】