ヤクルトの背番号33。それは、とても重みのある番号だ。20年11月12日、石川県金沢市内のホテル。前年にドラフト1位で入団した奥川と同じ金びょうぶがセッティングされた。その前で「33」の数字がデザインされたタオルを持ったのが学ラン姿のドラフト3位、星稜・内山壮真だった。

33番は長年にわたって打線をけん引し、15年に打点王を獲得した畠山和洋2軍打撃コーチ(40)が19年まで着けていた。通算128本塁打をマークし、まさに“主砲”のイメージが定着した番号。それを171センチの高卒新人が受け継いだ。球団は、高校通算34本塁打のパワーに“打てる捕手”として期待。当時、橿渕スカウトグループデスクは「以前は畠山が付けていて、彼も右の強打者。そういうイメージを照らし合わせた部分もある。33番を彼のイメージにしてもらいたい」と話していた。

「畠山さんに負けないくらいの活躍をしたい」とくったくのない笑顔で話していた18歳の球児は、2年間で強くなった。「UCHIYAMA 33」。それはもう、たくましい背中だ。【保坂恭子】

【関連記事】ヤクルトニュース一覧