近本1番? そらそーよ-。阪神岡田彰布監督(64)が27日、近本光司外野手(27)を来季1番で起用することを明言した。

指揮官は3番がメインとなった今季は四球の数がキャリアハイの41となったことに注目し、「それを1番の時もそういう感覚で行ってくれたら」と期待を抱いた。球界屈指のヒットメーカーが、来季はリードオフマンとしてチームをけん引する。

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岡田野球の骨格が、ジワリジワリと浮かび上がってきた。指揮官はすでに大山、佐藤輝をクリーンアップで起用することを明言している。主力の1人、近本については「基本的には1番でやろうと思ってる。固定する」と明かした。11月初旬に侍ジャパンの強化試合に出場予定で、「こっちで何番打つとかで、あんまり影響したらアカンから、まだ(本人に)言うてないだけであって、おーん」と話した。

近本は19年のルーキーイヤーから3年間は主に1番で出場していただけに、経験は豊富だ。今季も序盤は1番に座っていたが、6月初旬から3番に定着し、最後まで中軸の役割を担った。指揮官は自己最多「41」を数えた四球数に目を細め、「ちょっと3番らしくボールを選んだりな。フォアボールも増えたやん。それを1番の時も、そういう感覚で行ってくれたら一番いいんやけど、結局な」と期待を寄せた。

リードオフマンの要素は十二分に持ち合わせている。打率は毎年3割前後を記録し、今季は30盗塁で2年ぶり3度目の盗塁王に輝き、出塁率は3割5分2厘をマーク。指揮官の1番起用明言について、近本は「まだ直接言われたわけではないので分からないですし、どういう1番がいいのかもまだ話せてないから、話せる時に聞こうと思います」と冷静に話した。

「守り勝つ野球」を掲げる指揮官は、近本に続く2番打者について「2番なんかいっぱいおるよ」と説明。「オレ打つことなんか考えてないから。そら守備よ。守備でポジション勝ち取ったもんで、2番が一番最適と思う人間をあてはめるだけやんか」と持論を展開した。1番近本、中軸に大山、佐藤輝を置き、V奪還オーダーを形成していく。【古財稜明】