今季取得した国内FA権の行使を発表した西武森友哉捕手(27)に対し、オリックス福良淳一GM(62)が1日、“即日ラブコール”で反応した。森の表明を受けて取材に応じ「興味はありますよ。興味を持って、調査を続けます」と明言。4年契約、総額16億円プラス出来高の大型契約を準備。11日の交渉解禁から即アタックする可能性もあり、リーグ3連覇&日本一連覇への戦力補強に向けて動きだす。

   ◇   ◇   ◇   

日本一球団の編成トップは、強い関心を隠さなかった。今オフのFA補強の目玉といえる西武森について、福良GMは「興味を持って、調査を続けます」と素早く獲得への意思を表した。その魅力について、「(攻守)両方じゃないですかね。打つ方もある程度はわかっているし、守りの方も今年はやっぱり相当、成長してるんじゃないですか。うちもだいぶ苦しめられたし」と明かした。

「打てる捕手」が、甲子園で5アーチを放った大阪桐蔭時代からの森の代名詞。14年に高卒新人で史上3人目の3試合連続本塁打を記録し、19年には捕手では史上4人目の首位打者に。昨年も最終盤までオリックス吉田正と激しい首位打者争いを演じた(結果は2位)。球界屈指の打撃技術に加え、今季は投手陣の能力を最大限に引き出すリード、対話に腐心。成果はリーグトップのチーム防御率2・75になって表れた。捕手としての成長にも、福良GMは着目した。

オリックスは伏見、若月、頓宮と、それぞれリード、強肩、打力の長所を備えた捕手陣を擁し、リーグ連覇、日本一につなげた。そこに森加入が実現すれば、捕手の層がいっそう厚くなる上に、チームの課題となった長打力、得点力不足を解消する手だてにもなる。

森は小学6年時、バファローズジュニアチームの投手兼捕手で07年のNPB12球団ジュニアトーナメントに出場し、優勝。大舞台で戦う力を蓄えてきた。来季、16年ぶりに“バファローズ”のユニホームに袖を通すのか。FA交渉の解禁は11日。即アタックに乗り出す可能性もあり、日本一球団の動きと森の決断が注目される。

○…福良GMは、ポスティングシステムによる今オフのメジャー移籍を目指す吉田正と近日中に会談する。「今のところは聞いていないですけど」と前置きした上で「話したいと言ったら、話はします。近日中にはあると思うんですけど」。編成トップとして確かめたいのは、吉田正のメジャーへの思いの強さ。それを把握した上で「球団のことも話をしないと」と、チームにとって唯一無二の存在だけに、慎重に向き合う。