日本ハムから自由契約となっていた14年沢村賞右腕の金子千尋投手(39)が23日、札幌市内で会見を開いて現役引退することを表明した。今回の引退会見は、金子の希望で午後2時から日本ハム球団の公式YouTubeでも生配信された。

会見冒頭で、まずは異例のYouTube生配信をお願いした理由を説明した。

「本日はお忙しい中、そして天候が悪い中、集まっていただき本当にありがとうございます。今回、球団公式のYouTubeの方で生配信させていただいているんですけど、その理由としては録画ではなくて、このリアルタイムの僕の声を少しでも多くの方に聞いていただきたくて、球団にちょっと無理を言ってやらさせていただいています。ありがとうございます」

続けて、自ら届けたかった“声”を時折、声を詰まらせながら、発信した。

「今日、みなさまにお伝えしたいことがあります。今シーズンをもちまして、現役生活を引退することに決めました。2005年からオリックス・バファローズに入団し、プロ野球生活がスタートして18年間。入団した時はまさか僕が18年もの長い間、プロ野球で野球をすることができるとは本当に思ってもいませんでした。オリックスで14年、ファイターズで4年間。順風満帆とは言える成績ではなかったかもしれませんが、その入団した時の自分を考えると、よくやったのではないかなと、今あらためて思います。それにあたりまして、僕を取ってくれたオリックス球団には本当に感謝します。ケガをしながらも取っていただき、入団1年目は1軍で投げることさえできずに終わってしまい、本当に申し訳なく思っております。その中でも僕を使っていただき、成績が出ない中でも信じて使ってくれた監督、コーチの方々には本当に感謝しています。僕のプロ野球人生では9名の監督の下で野球をやらさせていただきました。それぞれの監督の下で本当に肉体的にも精神的も成長できたと思います。その時その時で…そうですね、厳しさであったり、自分がチームを引っ張っていかなきゃいけない状況置いてくれた数々の監督には本当に感謝しております。そして、ケガはありながらも、この18年間、投げ続けることができたのは僕の体をケアしてくれたトレーナーの方々、そして僕の体を強化してくれたトレーニングコーチの方々。その方々の力なくしては、本当に18年間、投げ続けることはできなかったと思います。この場を借りて、僕の体を触ってくれたトレーナーの方々、トレーニングコーチの方に感謝を伝えたいと思います。本当にありがとうございました。そしてファンのみなさまにも感謝を伝えたいと思います。僕が無名だった頃から応援してくれたファンの方々。いい時も、勝てない時も熱い声援を送り、後押ししてくれたファンの方々。マウンドに向かう時の温かい声援。勝った時、完封した後の熱い歓声、大きな歓声は絶対に忘れることはありません。こんな僕を応援していただき、本当にありがとうございました。続きまして、小学校4年生から野球を始めたんですけど、ほぼ毎週僕に付き合ってくれた両親。僕も親になってから子どもを育てるという大変さをあらためて感じました。僕の野球人生で一番長く、応援してくれているのは両親かなと思います。そこまで強い体を持っていたわけではないかもしれませんが、ここまでできたのは本当に両親が僕を産んでくれて、僕に野球をやらせてくれたおかげだと思っています。本当に、今シーズンで現役は終わりますが、初めて両親に向かって感謝を言いたいと思います。本当にありがとうございました。そして、最後に、どんな時も僕の味方でいてくれて。つらいこともたくさんあったと思います。そして迷惑もたくさんかけてしまったと思います。それでも、いつも温かく送り出してくれた妻、家族…(約10秒間の沈黙)その支えがなかったら、本当に今の僕はいません。(再び約10秒間の沈黙)負けて帰ってきた時も、明るく迎えてくれたことに本当に助けられて、ここまでやってこられました。本当にありがとうございます。そして、これからもより一層、迷惑をかけてしまうかもしれませんが、これからもよろしくお願いします。僕から伝えたいことは、今しゃべらせていただきました」

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