ソフトバンク藤本博史監督(59)が7日、2年目の正木智也外野手(23)に「柳田ロード」を歩むことを期待した。指揮官によると、柳田は主力に定着する前に1本のヒットで打棒が激変し、きっかけをつかんだ。開幕から9打数無安打と苦しむ右の大砲候補に、同じ覚醒を望んだ。移動日のこの日は、8日に宮崎で開催される西武戦に向け、ひなたサンマリンの屋内練習場で調整。正木も期待に応える意気込みを明かした。

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藤本監督は悩む正木を若かりし頃の柳田と重ね合わせた。柳田のプロ3年目、2013年を振り返った。

藤本監督 当時の秋山監督は「レギュラーで使うよ」と言うたけど、(開幕)7試合目で外されたからね。そのあと二塁打かホームランか忘れたけど、その1本がきっかけで、がーんと(調子が)上がった。なんかのきっかけで上がる可能性は十分にある。

柳田も最初は苦しみながら、球界を代表する主砲に成長した。1軍打撃コーチとして覚醒の瞬間を見てきただけに、正木にも同様の期待を抱く。開幕戦は「5番中堅」でスタメン出場したが、ここまで9打数無安打。今季初安打が出れば、一気に上昇気流に乗って“確変”の可能性があるとみている。

現状は直球に振り遅れ、変化球にも対応できずに苦しんでいる。この日は指揮官からマンツーマン指導を受ける場面もあった。正木は「今までやってきたことをもう1回信じようかなと。右足の使い方だったり、バットのヘッドの使い方だったり。もう1回見直す」と気持ちを新たにした。

藤本監督は開幕前から「正木には50打席ぐらいはチャンスを与える」と明言してきた。そこまで期待を寄せる理由は「右の大砲。現状1軍では正木に頑張ってもらわないと。何年も続く強いホークスで、右のバッターがいなくなるのは大変ですから」と説明した。慶応高で通算50本塁打、慶大でも東京6大学リーグ10本塁打を誇る右のスラッガー。2年目の若鷹を、開花するまで我慢する方針だ。

8日からの西武2連戦は「ファイト! 九州デー」と銘打ち、宮崎と鹿児島で開催される。恒例イベントの第1戦はキャンプ地の宮崎だ。正木は3試合ぶりにスタメン復帰予定。「期待されているのは感じています。応えないといけない。結果を出して恩返ししたい。チャンスをもらったので」。快音で、一発回答する意気込みだ。【只松憲】

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