ソフトバンク藤本博史監督(59)が20日、「令和の怪物」の攻略に向けて、1番に上林誠知外野手(27)を起用する考えを明かした。

21日から敵地ロッテ3連戦で、初戦の相手先発は佐々木朗希投手(21)。リードオフマンの周東佑京内野手(27)は打率2割8厘と調子が下降気味で、直球に強く上昇気配のある上林の代役起用を示唆した。

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首位陥落の危機打開へ、指揮官が動く。佐々木朗の攻略について「『難しいから打てません』じゃ困るから、いろいろ考えている」と話した藤本監督。「令和の怪物」は昨季は完全試合を達成し、今季も2試合13イニングを投げて無失点の難敵だ。打線の奮起が求められる一戦を控え、浮上したのが「1番上林」だ。

現在は10試合連続で周東が1番で起用されているが、打率2割8厘、出塁率3割2分1厘。直近5試合では19打数2安打、3四球とやや物足りない。指揮官はWBCでの疲労も考慮しつつ「今の出塁率や状態は少し考えないといけない。足は武器だからスタメンからは外さないと思うけど」と、打順を下げることを示唆。代役1番は「上林になるやろうね」と明かした。

上林は打率こそ1割9分4厘だが、直近3試合では11打数4安打。14日楽天戦では今季初の猛打賞を記録するなど上昇気配にある。藤本監督は「上林なら速い球にも強い。佐々木朗希君のフォークは150キロ近く出るから、真っすぐと同じ形で(スイングは)入っていけるんちゃうか」と説明。最終決定ではないが「そう考えたら上林の方が合う」と、リードオフマン抜てきをにおわせた。

この日はZOZOマリンで指名練習。上林は、藤本監督や長谷川打撃コーチから指導を受け「最初から結果を求めず、攻めていきながら、あとは運に任せたい」と意気込んだ。「打つか、打たないかは毎打席5割の確率。ラッキーなヒットもあるはず。そういった気持ちでいきたいです」と、攻略への火付け役になる。

チームは2連敗中。わずかな勝率差で首位に立つが、2位西武にはゲーム差ゼロに詰め寄られた。シーズン最初の正念場で怪物右腕との対決を迎えるが、藤本監督は「食らいついていくしかないよね」ときっぱり。打線のテコ入れで、苦難を打破する。【只松憲】