「ハマスタキラー」が、止めた。

1点を勝ち越した9回1死満塁。広島坂倉将吾捕手はDeNA抑え山崎の150キロ真っすぐを振り抜き、右中間席に放り込んだ。「ハマスタでいっぱい勝っている。1点、2点だと…。(リードは)何点あってもいいと思って」。今季20打席目となる得点圏での初安打が、DeNAの本拠地での連勝に終止符を打った。

捕手に専念する今季、持ち味の打力を発揮できていなかった。試合前まで打率2割2分7厘、特に得点圏では18打席で無安打だった。この日は2回無死二、三塁から先発ガゼルマンから先制犠飛。最後は1発で締めた。同球場では21年は打率3割3分3厘、昨季は3割8分2厘。プロ3度の満塁弾はすべてDeNA相手だ。

「いろんな人にアドバイスもらって、自分の中でいいものを見つかったので、継続できれば」。相手の勢いを止め、自身が勢いに乗ろうとしている。

栗林不在も、総力戦で接戦をものにした。決勝点は9回1死三塁から秋山の一、二塁間への当たりに、三塁菊池が好スタートで奪ったもの。新井監督は「走塁や何とか前に飛ばそうという打撃の細かいところ(が見えた)。自分たちは試合をしながら強くなっていかないといけないと言ったけど、今日の試合はそういう試合だった」と目を細める。青い波を沈める価値ある勝利に、自信を深めた。明日3日に対戦するサイヤング賞右腕バウアー相手にも、恐れることは何もない。【前原淳】

○…床田が因縁の地で粘投を見せた。昨年8月3日に右足関節を骨折した横浜スタジアムでの今季登板。1回1死満塁を切り抜けると、5回までゼロ行進。1点リードの6回に3連打を浴びて同点に追いつかれるも、勝ち越しは許さなかった。「僕が勝手にこけただけなので、別にハマスタに罪はない」。そう語っていた同地で6回1/3 1失点。好結果と勝利で、苦い記憶を払拭した。

▽広島ターリー(8回を無失点に切り抜け2勝目)「栗林が帰ってくるまでは、誰がどこで行くかは分からない。こんなときこそみんなで助け合っていきたい」

▽広島秋山(9回1死三塁から一塁内野安打が決勝打)「あれだけ投手が粘って、1点勝負まで持ってきてくれた。結果はあの場面でしたけど、チームとして粘りきったなと思います」