阪神加治屋蓮投手(31)が、通算176試合目の登板でプロ初セーブを手にした。1点差に迫られた9回2死から代打中田の場面で登場。追い込んでからの5球目、内角へ食い込むフォークで見逃し三振を奪取した。今季18試合で防御率0・00の右腕が、プロ入り後から中継ぎ一筋の職人技で、接戦となったゲームに終止符を打った。

「(初セーブは)実感はないけど、ああいう形で9回を任せてもらえたことはうれしかった。いつも通り(右封じの)自分の仕事ができてホッとしています」

旧知の後輩の姿に心を揺さぶられた。ソフトバンク時代にもチームメートだった先発大竹が、7回の攻撃で近本の先制打で得点が入った際にベンチ前に出て喜びを爆発させていたことをブルペンのモニターで見ていたという。「チームにも大竹にも絶対勝ちが必要だと思ったので、思い切りいきました」と振り返った。

最終盤で執念の継投策だった。今週4試合中3試合に登板していた抑え岩崎と、前日26日に1軍復帰登板ばかりの湯浅の2人を温存。代役として浜地を抜てきしたが、1死から代打梶谷に四球を許し、岡田監督は「1人出たら代えるつもりやった」と及川にスイッチ。左腕は2死一塁からブリンソンに右中間への痛恨の2ランを被弾したが「中田(翔)のところは加治屋を最初から用意していた」と、先読みで準備を進めたことが功を奏した。

岡田監督は「(7回の得点が)1点やったら(継投は)1人一殺やった」と明かした。また、岩崎については「練習の時から投げさせるつもりはなかった。今日はグラウンドでゆっくりしてたんじゃないかな。明日(28日)は投げさすよ。明後日(試合)がないんで」と笑顔で宣言。強力なブルペン陣が、連勝街道をさらにけん引していく。【古財稜明】

▽阪神及川(9回1死一塁から登板し、ブリンソンに右中間への2ランを被弾)「悪かったわけではないですし、しっかりやれることをやった結果かなと今は思っています」