巨漢の西武渡部健人内野手(24)がチームスローガン「走魂」を見せつけた。「日本生命セ・パ交流戦」DeNA戦の3回、適時二塁打を放った後、三塁走者になるとダブルスチールを敢行し、見事に生還。今季2個目の盗塁に成功した。チームは同一カード3連敗を阻止。早くもお立ち台3度目の愛称“ベッケン”が5位西武を元気に引っ張る。

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体重115キロの渡部も“走魂ライオンズ”の重要な一員だ。3回に左翼へ強烈な適時二塁打を放つと、さらに2死一、三塁の三塁走者として重盗に成功。捕手の二塁への送球でスタートを切り、見事に生還した。1イニング6安打のビッグイニングとチームの勝利に貢献し「ゲンさん(源田)から始まり、みんなつないでくれたので」と表情を緩めた。

プロ2盗塁目になる。「(捕手が二塁へ)投げる前から行こうと思ってました」。自分で判断して本塁を狙った。06、11年に4盗塁した“おかわり君”中村同様、よくばり君も見た目以上に俊敏だ。チームスローガン「走魂」にも思いがある。

「たとえ凡打でもしっかり走りきるところで。自分もスキがあれば盗塁とか狙っていきたい。そういうところで自分の走魂が出ればいいかなと思います」

横浜だけにハッスルしたい。熱くなりすぎた記憶もある。桐蔭横浜大4年の秋、西武入りを決めた直後の横浜市長杯決勝でのこと。

「9回2死からフライを捕ろうと、カメラマン席に突っ込んで。捕ったら優勝の場面で」

捕れずに、しかも右肩を負傷したが優勝した。全てに全力で取り組む姿があるから、仲間からも“ベッケン”と呼ばれ愛される。お立ち台も1軍昇格後、すでに3度目。堂々の振る舞いも「頭、フル回転させてます」と笑う。西武はこうして、スター候補が次々と生まれてきた。【金子真仁】

【動画】115キロ巨体の西武渡部健人が本盗!鮮やかダブルスチール決まった

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