4番の仕事だ。広島松山竜平外野手(37)が、ロッテ佐々木朗希投手(21)の完全投球を止めた。

4回までは最速163キロの快速球とフォーク、スライダーの前に手も足も出ず。松山も2回の初打席はフォークで空振り三振に打ち取られた。だが5回の2回り目は2ボール1ストライクからの4球目、45球目のストレートを捉え、ピッチャー返し。中前に抜けようかという打球に遊撃の藤岡が飛びついたが、送球できず。ついにカープに「H」ランプがともり、真っ赤に染まった左翼スタンドではおなじみのスクワット応援が始まった。

松山がつくったチャンスを、羽月隆太郎内野手(23)が実らせた。1死から田中が四球を選び、2死一、二塁からデビッドソンがスライダーを捉えて中前打。2死満塁に広がった好機で、今季ここまで8打席無安打の羽月に打席が回った。

1ボール2ストライクからの4球目は、日本人最速で自己最速タイの165キロをマーク。だがそんな歴史的な超速球を魅せられてもひるむことなく、羽月はファウルで粘った。

164キロをファウル、162キロをファウルし、146キロのフォークは見極め、145キロのフォークをまたファウル。9球目のストレートをついに捉えた。三遊間を破り、三塁から松山を、二塁から田中をホームに迎え入れて一塁ベース上で羽月は両腕を掲げてガッツポーズ。ホームインした田中もガッツポーズ。そして三塁側ベンチで新井監督もガッツポーズだ。

今季ここまで本拠地ZOZOマリンでは4試合、計25イニング無失点だった「令和の怪物」から、登板5試合目でついに2得点。「みんながつないでくれたので、自分もつなぐ気持ちでいきました。なんとか食らいついていくことができてよかったです」と羽月。懸命さがあふれるコメントを、広報に託した。

【動画】佐々木朗希、出た165キロ ファウルにした広島羽月のリアクションは?

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