阪神伊藤将の「甲子園12連勝」が、目前でスルリと消えた。

7回1失点。105球の熱投で、1点リードでマウンドを降りた。ただ、9回に守護神湯浅が2被弾で逆転負け。これで5月18日の中日戦で2勝目を挙げて以来、約1カ月勝ち星がない。「一番悔しいのは湯浅なので。自分はちょっとの声かけしかできないけど、切り替えてやってほしい。結果は仕方ない」と後輩を気遣った。

五分で迎えた「関西ダービー」の3戦目。投打に存在感は抜群だった。4回、前川の甲子園初安打と相手の失策で同点に追いつくと、2死二、三塁で山岡の外角146キロを捉え、左前適時打とした。「たまたまです」と照れたが、今季18打席目で生まれた初安打が一時勝ち越しとなるタイムリーとなった。

4回に、頓宮に適時打を浴びた以外は危なげない投球だった。「足のあるバッターが多いので、警戒しながら」とけん制も頻繁に入れた。集中力を切らすことなく試合をつくった。村山実に並ぶ「甲子園12連勝」の権利はキープ。安定した投球を続ければ、達成の時はそう遠くないはずだ。【中野椋】

【動画】阪神湯浅はうずくまり、首をかしげて何かをつぶやく オリックス杉本が豪快V弾