ロッテの「柿の種バッテリー」が、チームの「味」もピリッと変えた。種市篤暉投手(24)と柿沼友哉捕手(30)が、20年8月1日の楽天戦以来となるコンビを組んだ。

初回は適時打と犠飛で2失点したが、種市は「体も大きいので的も大きく投げやすいのが一番。他にももっとありますけどね」と2回以降は無失点。今季初スタメンマスクだった柿沼の安心感あふれる“うまさ”を信頼して7回まで投げきった。

春季キャンプ中からブルペンで受けてもらい、今回の直前2日間もミットを構えてもらうなど、コミュニケーション工程も仕上がりは良かった。柿沼は「自分にとってはやっときたチャンス。なんとか種市に良いピッチングをしてもらって、次につなげようと」。試合中もフォークの精度や、シュート回転していた直球などを助言。「修正能力の高さは(トミー・ジョン手術前よりも)レベルアップしていた」。自身も今季安打を放ち「ひと安心しました」と、岡の3ランによる援護につなげた。

前夜の試合後には吉井監督が若手選手を集め“ピリ辛”ミーティングを行ったことも刺激となった。出場機会が増えるにつれて目立ち始めた、全力疾走を含めた緩慢な行動に対して「優しいカツを入れました」と指揮官が明かした。バックスクリーン右への今季7号ソロを放った山口も「試合開始から(守備に)ダッシュでいきました。野球は心が一番大事」と背筋を伸ばした。安田も初回に逆転の中前2点適時打で勢いづけるなど、今季チーム最多14安打で快勝した。「柿の種」はピーナツとの黄金比率が「7対3」だが、「10対2」と得点も増量した。

6月は今季初の月間負け越しとなったが、7月初戦は「柿の種バッテリー」で連敗を3で止めた。オールスターまで残り12試合。夏季の再躍進で、ペナントレースはハッピーターンとなるか。【鎌田直秀】▽ロッテ吉井監督(今季3度目の2ケタ得点勝利に)「初回がなかったら4回の3点もなかったかもしれない。山口と安田がしっかり打って、点をとられたあとにとりかえしてくれたことが良かったと思います」

▽ロッテ安田(初回の中前適時打など猛打賞)「昨日はスタメンを外れてすごく悔しい気持ちはありましたし、何とか1本出したいと打席に立ちました。ここからガンガン打っていきたい」

▽ロッテ山口(今季初となる右方向への本塁打に)「右方向に強い打球を打てるようにティーからやっていたところだったので、あそこ(バックスクリーン右)に入るのは一番の理想。久々に良いホームランだと思います」

▽ロッテ岡(4回に左翼に4号3ラン)「完璧だと思ったんですけれど、思いのほか風で戻ったので不安にはなりました。レギュラーではないので結果を残さないといけない立場」

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