ソフトバンクが選手層の厚みを示し、今季3度目の4連勝を決めた。

4―5の8回に代走の周東佑京内野手(27)がタッチアップから「神の足」と「神の手」で同点の生還。延長10回に途中出場の上林誠知外野手(27)が決勝の2点三塁打を放った。西武に最大4点差を逆転されたが、ベンチスタート組で再逆転し、今季延長は6勝2分けと負け知らず。首位オリックスとの0・5ゲーム差を保った。

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ソフトバンクの執念が実を結んだ。5-5の延長10回1死二、三塁で上林が西武平井の初球ストレートを引っ張り、右翼線ぎりぎりに運んだ。

「みんながつないでくれたチャンスだったので絶対に打ってやろうと打席に立ちました。うれしかったです。全力で三塁まで行きました」

途中出場した男が勝ち越し、決勝の2点適時三塁打を放ち、チームは4時間37分の激闘を制した。

スピードスターの「神の足」と「神の手」も劇的勝利へのシナリオを生んだ。最大4点差を逆転された直後、4-5で迎えた8回だ。代走に送られた周東は安打と犠打で三塁に進んだ。1死二、三塁から代打野村大の放った中飛は浅かったが、周東は「浅かったけど勝負にいくしかない」と迷わずタッチアップ。快足を飛ばして頭からホームに滑り込んだ。西武の中堅手・長谷川はノーバウンドの好返球を見せたが、キャッチャーミットの下を左手でかいくぐっていた。

「点を取るために(代走で)行ってるので。引いちゃいけない。攻めて、攻めてです」

松井監督はすかさずリクエストを要求したが、判定は覆らなかった。「セーフだと思いました。自信はありました」。WBCでも世界を驚かせた走塁技術は、相手の懸命の守りを無効化し、同点とした。藤本監督は「よく走ってくれましたね。周東は足で本当に貢献してくれている」と最敬礼だった。

先発、控えが高いパフォーマンスを見せ、今季の延長戦はこれで6勝2分けと負けなし。今季3度目の4連勝で、5カード連続の勝ち越しとなった。貯金「13」は2年目を迎えた藤本政権で最多タイ。デーゲームで首位オリックスと3位ロッテが勝利する中、ナイター開催の2位ソフトバンクも劇勝で続いた。ヒーローの上林は「終盤戦に強いチームが最終的にトップにいると思う。明日の試合も最後まで頑張ります」と、息の切れた声で引き締めた。【只松憲】

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