高卒8年目の楽天村林一輝内野手(25)が、キャリアハイの1試合4安打5打点で最下位脱出に貢献した。

「いや、あんまりないですね。はい、珍しいです」。シーズン通算でも21年の6安打4打点が最多だった背番号66は、1日にして過去の自分を塗り替えるような大活躍。「よかったです」と控えめに喜んだ。

この日は2年ぶりに1番打者でスタメン起用された。「いつも自分ができることを精いっぱい準備してやるっていうのは心がけている」と、6回に満塁走者一掃の適時二塁打。9回には左前へダメ押しの2点適時打などチームの今季最多18安打、同タイの11得点を挙げた攻撃をけん引した。

ついにブレークチャンスが訪れた。大塚(大阪)から15年ドラフト7位で入団して以降、1軍では守備固めや代走での出場が続いたが、今季初スタメンとなった6月25日西武戦で2安打1四球。チャンスをつかんで7試合連続でスタメン出場となり、この間は25打数11安打で打率4割4分、6打点。石井監督も「今の村林は、こん棒の太さの(バットを持っている)感じにバッターボックスで見える」と評価。最初は9番や8番だった打順も2番、そして1番と上がってきた。

昨オフの契約更改では約1時間半のロング交渉で自分への評価などについて聞いた村林は「来年、レギュラーを取るために頑張ります。レギュラー取りたいんで」。そんな思いを常に口にしてきた苦節8年目。レギュラー奪取へ「やることは一緒で。頑張ります」。堅守に加えて地道に磨いてきた打力で壁を突き破る。【木下大輔】

◆村林一輝(むらばやし・いつき)1997年(平9)10月6日生まれ、大阪府出身。大塚では1年夏からベンチ入りも甲子園出場なし。15年ドラフト7位で楽天入団。17年10月10日ロッテ戦で1軍デビュー。21年5月4日ソフトバンク戦で初本塁打。同年は代走、守備固めなどで自身最多の79試合に出場。今季推定年俸1000万円。180センチ、73キロ。右投げ右打ち。

▽楽天藤井(今季初登板初先発で5回1失点と粘投し、今季初勝利)「失うものはないぐらいでやっている。バッターに思いきり向かっていくだけだったので、それが抑えられた要因」

▽楽天浅村(6回に中堅へ推定135メートルの特大12号ソロ)「打ったのはカーブ。打ててよかったです」

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