阪神小野寺暖外野手(25)が「3番中堅」起用に2年ぶりの猛打賞で応えた。

4回の第2打席。先頭打者として打席に立ち、カウント1-2から左腕石田の129キロ変化球を左翼前に運んだ。試合前からの降雨で芝は湿っており、打球は減速。「外野守っていて芝の状態は分かっていた。積極的にいこうと思っていました」。左翼手の処理が遅れる間に快足を飛ばし、すかさず二塁を陥れた。6回にも内野安打、8回の先頭でも右前打で貢献。安打は全て先頭打者として放ち、21年10月10日ヤクルト戦(神宮)以来、プロ2度目の猛打賞となった。

近本の離脱もあり、5日に1軍昇格。だが、この試合までは2試合連続でベンチを外れ、3連勝を決めた仲間をテレビの前で応援することしかできなかった。

「チームが3連勝していて良い流れで来ていた。なんとか流れをつなげるように頑張ろうと思いました」。 フォア・ザ・チームの精神を忘れず、3打数3安打1四球と大暴れした。

試合前にノイジーがコンディション不良で欠場。だが岡田監督は小野寺の起用について「昨日試合が終わってから3番って決めとった。別に急きょじゃない、そんなのお前。5番はノイジーやったけどな」と、代役ではなく、期待を込めた起用だったと明かした。

森下、前川ら若手の活躍にも「負けてられない」と刺激を受けてきた。指揮官の起用に応えた3安打で、背番号60の存在感を強めた。【波部俊之介】

■ミエセス28歳バースデー安打

ミエセスがバースデー安打を放った。4点ビハインドの8回1死一塁。DeNA4番手伊勢の150キロ直球を初球打ち。後続へとつなぎ、チャンスメークした。28歳誕生日の試合前にはチームから誕生日ケーキで祝福されていた。「1本出てよかったですし、みんなにサプライズで祝福してもらったので感謝しています」と振り返った。

■森下翔太この日も1番、4試合連続安打

「1番左翼」で出場した森下が自己最長の4試合連続安打で役割を果たした。初回、DeNA石田の144キロ直球を左翼線二塁打。左翼スタメンは今季2度目で甲子園では初めてだったが、無難にこなした。近本が負傷離脱後、ここまで1番打者として5試合に先発出場。「1番としての役割ができてよかった。いい形で打てているので変えずに投手を研究していきたい」と気を引き締めた。