Z世代トリオで単独首位ターン決めるぞ! 阪神は15日から球宴前最後の中日3連戦(甲子園)に臨む。岡田彰布監督(65)は絶賛売り出し中の森下翔太(22)、前川右京(20)、小野寺暖(25)の若手3外野手を高評価。「戦力として使えるめどが立った」と初めてスタメンに並べる可能性を示唆した。指揮官激推しの3人衆にカード勝ち越しを託し、2年ぶりの前半戦首位ターンを狙う。

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好調のZ世代トリオが放つ快音が、無人の甲子園に響き渡った。15日からの中日3連戦に向け、午後2時から全体練習を開催。森下、前川、小野寺らがフリー打撃を行う中、岡田監督は三塁ベンチ、二塁後方など、場所を変えて熱いまなざしを向けた。不動のリードオフマン近本が故障離脱する中、猛アピールでチームを元気づける3人に、一定の手応えを感じていた。

「そら、いい結果出してるやん。戦力として使えるっていうメドが立ったということは、それはめちゃくちゃええことやと思うよ」

森下は5試合連続で「1番」で出場し、2本塁打を放つなど、自己最長の4試合連続安打で役割を発揮中。前川は高卒2年目ながらここまで10試合で「3番」に座り、打率は2割7分8厘。小野寺は出場機会は少ないが、前日13日のDeNA戦で3番に入り、2年ぶりの猛打賞を記録するなど、打率4割2分9厘と状態の良さを示している。

岡田監督は前カードのDeNA戦の3番を12日は前川、13日は小野寺に託した。2人が1軍に食らいつく必死さについて「そら、出てるよ。それがいい結果につながってる」と目を細めた。加えて「1軍に残るって、そんなん2軍に落とされへんやろ。もう1軍の戦力やんか。もうエレベーターで、(2軍に)行くような選手とちゃうで。そんなんお前、クリーンアップ選手やで」と語気を強めた。

岡田監督は15日からの中日3連戦で、Z世代トリオに外野を任せる可能性について「知らん。そんなん決めてないわ」とかわしたが、左翼のノイジーがコンディション不良で別メニュー調整中。15日も出場は不透明なだけに、いきなり3人同時スタメンの可能性が十分ありそうだ。「1番」森下は継続し、相手先発が右腕の高橋宏のため「3番」は前川が濃厚。不振の佐藤輝は13日に6番に落ちており、「5番」最有力は小野寺か。パンチ力十分の若虎トリオに期待は高まる。

森下は「左右両方関係なく、打てるところをアピールしたい」と気合十分。前川は「ヒット、フォアボールでも何でもいいので、チームに貢献したい」と意気込んだ。小野寺も「外野はまだ全然決まってないと思いますし、チャンスをつかめるように」と気合マックスだ。1勝1敗1分け以上で、自力での単独首位ターンが決まる。岡田監督が激推しする若虎トリオが、有終の前半を締める。【古財稜明】

▼Z(ゼット)世代 90年後半から00年代に生まれた人を指す言葉。主に60~70年代に生まれた人をX世代、80~90年代に生まれた人をY世代(ミレニアム世代)と呼び、XとYの次世代という点からZという名称が付けられた。物心がついたときからすでに、インターネットやオンラインなどに慣れ親しみ育ってきた世代。

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