ソフトバンク王貞治球団会長兼特別チームアドバイザー(83)が9日、チーム巻き返しへ向け、若手野手陣にゲキを飛ばした。

台風6号の影響で、この日予定されていた楽天戦(ペイペイドーム)が中止。チーム練習を見守った王会長は今後の戦いに向け力強い口調で言った。

「若い人が出てこないとね。若い人たちだったら、やればやるほどビューッと伸びる可能性があるからね。ダメ元でやらないと」

再浮上を狙う「8月反攻」。5週連続して6連戦が続くハード日程のスタートとなった8日の楽天初戦は敗戦。自力Vの可能性が再び消滅した。近藤、有原、ガンケル、アストゥディーヨなど大型補強した年初には「10ゲーム差をつけるくらいの優勝を」と独走V指令を飛ばした王会長だけに、誰よりも現状に歯ぎしりしているはずだ。この日の打撃練習でも、懸命にバットを振るリチャードのフリー打撃にケージ後ろから熱視線を送っていた。

球宴を挟んで、チームは54年ぶりの12連敗を喫した。月が替わって8月に入っても2勝4敗と、まだまだ好転の兆しは見えてこない。若手野手のフレッシュなパワーで現状突破へ-。王会長は期待を寄せるだけでなく、自ら動いてもいた。

7日の試合前練習が始まる直前だった。リチャード、周東、川瀬、柳町ら20歳代の打撃陣を一塁側ベンチ裏のスイングルームに呼んで「インパクトに集中しろ、打球方向は見る必要ない」などと熱くアドバイスを送った。「頭を残してしっかり打ちたいタイプなので、僕も会長の話に納得しました。主力にならないといけないと思う」。ここ4試合連続スタメンで13打数6安打の柳町も、王会長の言葉に責任を感じた様子。難局突破へ-。若鷹が原動力となる。【佐竹英治】

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