日本ハムの道産子左腕、根本悠楓投手(20)が今季初登板初先発初勝利を挙げた。この日1軍に初昇格。西武打線相手に4回まで1安打無失点と好投し、連敗ストップへの流れを呼び込んだ。5回に西武蛭間に同点3ランを浴び追いつかれるも、打線の援護を受け5回2安打3失点と粘り、昨年10月2日西武戦以来約10カ月ぶりの白星。新球場エスコンフィールドでの今季1勝となった。

  ◇  ◇  ◇

先輩たちに助けられつかんだ1勝だった。4回まで1安打無失点とテンポよく投げるも、5回に2つの四球を許し1死一、二塁。西武蛭間相手にカウント1-1から投じた高めのスライダーを、軽々と右翼スタンドに持って行かれた。「ホームランを打たれたときは(勝利は)ダメかなと思った」。直後に打線が3点を返し、勝利投手の権利を手に。「野手の方が点を取ってくれたおかげ」と感謝した。

2年目の昨季は初勝利含む3勝を挙げ、今季は先発ローテ入りを目指し調整したが、うまくいかなかった。2軍でも結果が出せず「新しいことをやってみようと、体重を少し落としてみたいなことを。その中で少しフォームとか自分らしさが崩れてしまって」。まずは体重を登録の77キロに戻し、走り込みや筋力トレーニングを重点的に入れ、立て直してきた。

リードを受けたのは同じ道産子で13歳年上の伏見。1月の自主トレ中から根本を“第2の宮城”にすると気持ちを高ぶらせていた。初めてバッテリーを組み「僕にとっても思い入れのある試合だった。何とか勝ちをつけてあげたかった」。試合後は根本から「クイックがしっくりいかなかった」と反省の弁を受け「そういう日もある。そういうときにどうするか、考えような」と優しく諭した。

念願のエスコンフィールド初登板。故郷北海道での勝利はプロ1勝を挙げた昨年5月29日巨人戦(札幌ドーム)以来438日ぶり。両親や祖父母も観戦しており「新球場で投げる姿を見せられて良かった」。中学時代、U15日本代表コーチとして指導を受けた同じ左腕の武田勝氏もテレビ解説で来場しており「あいさつしかできなかったので、後でアドバイスをもらいたい」。1軍マウンドで味わった1球の怖さを、次回登板への糧にする。【永野高輔】

【関連記事】日本ハムニュース一覧>>