DeNA東克樹投手がルーキーイヤー以来となる2ケタ勝利を達成した。「自分としても価値ある試合でしたし、野手の皆さんに本当に助けられました」。熱投が勝ち越しを呼んだ。

1-1の7回1死満塁。阪神の代打ミエセスに粘られ、8球目を投げた後、左ふくらはぎに痛みが走った。暑さで大量の汗をかき、足がつった。「ベンチに下がったらリズムが悪くなる。このままいかせてください」と斎藤投手コーチに直訴。フルカウントの11球目、投じたのはゴロ狙いのチェンジアップ。宮崎の好守もあり、三ゴロ併殺で切り抜けた。力強くこぶしを振り下ろした。

直後だった。ドラフト同期で、いつもバッテリーを組む山本祐大が勝ち越し二塁打を放った。東はロッカールームで再びガッツポーズ。前回11日の巨人戦では、牧の逆転2ランを見てベンチで号泣した。「今日は泣かないように頑張りました。足がつってそれどころじゃなかったんですけど」と笑わせた。

左肘のトミー・ジョン手術などを乗り越え、5年ぶりの10勝。前回3連敗した阪神に一矢報いた。三浦監督は「今年はずっと安定した投球を続けてくれている。でも2ケタで満足してもらっちゃ困る」と、さらなる白星を期待した。

【動画】ピンチの後にチャンスあり、DeNA山本祐大が値千金の勝ち越し打