日本ハムは109試合目で、今季初めて延長戦の末、引き分けた。エース上沢直之投手(29)と、オリックス山下舜平大投手(21)の息詰まる投げ合いは、決着つかず。120球を投げ、9回6安打1失点でマウンドを降りた上沢は、18年から京セラドーム大阪で5戦連続負けなしとなった。チームは、今季最長の6試合連続で負けなし。首位たたきへ、救援陣も含めて投手陣が踏ん張った。

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160キロ近い直球とブレーキのかかった変化球で、首位を支える21歳の若き新星。一方で、際どいボールをうまく振らせて、幅広い投球術で打者を打ち取る29歳の熟練の技。オリックス山下を相手に投手戦を演じた日本ハム上沢は「フォーム的には今年で一番、自分の感覚的にも一番良かった」。新庄監督も「打者のタイミングを外すところで、しっかり外して完璧だった」と、120球の熱投を絶賛した。

直近2試合連続で被弾していた1回を3者凡退に仕留め、波に乗った。味方が先制した直後の2回、先頭に右翼線二塁打を許し、暴投と犠飛であっという間に追い付かれたが、3回以降は得点圏に走者を背負っても粘った。闘志がむき出しになったのは、7回2死一、二塁。オリックス渡部をフォークで空振り三振に仕留めると、マウンドでほえた。

2人の投げ合いは、8回1失点で上沢が勝利した7月28日以来で、今季2度目。初対戦の前回登板後、上沢は「底が知れない。他の人が持ち得ないような能力を持っている」と8歳下の右腕をたたえながらも、「僕は僕で、いろいろ考えながらやっている。めちゃめちゃ速い球もないし、めちゃめちゃエグい変化球もないけど、工夫して抑えられる」と、自身の特性に胸を張っていた。

勝敗は付かなかったが、京セラドーム大阪では18年から5試合連続の負けなし。「(山下は)やっぱり、いい投手。勝つには0じゃなきゃいけなかった」。勝てなかった悔しさを、次回対戦への糧にする。【中島宙恵】

▽日本ハム建山投手コーチ(上沢について)「立派でした。上沢の9回も見たかったし、今日が絶好のチャンスだと思った」

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