日本ハムが、12球団最多となる今季10度目のサヨナラ負けを喫した。

8年目の上原健太投手(29)は、自己最多の116球を投げ、人生初“完封”の9回無失点も、延長11回に4番手のブライアン・ロドリゲス投手(32)がつかまった。打線は散発3安打に抑えられ、今季11度目の零敗。3カードぶりに負け越した。

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勝利は付かなかったが、間違いなく、この日の主役だった。先発した上原が人生初“完封”の快投を見せた。自己最長の9イニングを投げて4安打無失点。同最多116球の力投は報われなかったが、プロ8年目で先発投手としての壁を乗り越えた。「9回投げきったことが、僕の人生で初めて。そこは1つ、先に進めたとは思います。いやあ、何年かかったんですかねえ」と、自虐的に笑った。

ピンチらしいピンチは、四球と安打で招いた1回1死一、三塁だけだった。「試合前のコンディションからしたら、何でこんなに投げきれたのだろうっていう感じ。いいボールを投げようとせず、ストライクゾーンへ大胆に。意識を変えたのが、はまった」と、尻上がりに調子を上げた。15年ドラフトの“外れ外れ1位”として、明大から入団。苦労人左腕の覚醒に、建山投手コーチは「本当に文句のつけようがない。クイックを使ったり、投球フォームで緩急をつける工夫も、うちの投手陣で一番出来る」と称賛し「(チームは)負けはしたけど、彼にとっては大きな1試合だった」と、うなずいた。

5連勝で迎えた首位オリックスとの3連戦は、いずれも先発投手が好投も打線に元気がなく、1分け2敗。上位相手に3カード連続の勝ち越しは逃したが、後半戦に入って不調が続いていた投手陣に元気が戻ってきたのは好材料だ。8月も、残り10日ほど。本拠地へ戻り、再び連勝を狙う。【中島宙恵】

 

▼日本ハムが今季10度目のサヨナラ負け。サヨナラ負けをシーズン10度以上喫したのは19年の中日(12度)とヤクルト(10度)以来だが、日本ハムでは47年(11度)59年(11度)に次ぎ64年ぶり3度目。

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