巨人岡本和真内野手(27)が「壁」を突破した。両リーグ最速で自己最多を更新する40号に到達。

1点リードの4回1死、中日仲地の132キロスライダーを捉えた。打球は左翼スタンドにギリギリ届いた。前日14日阪神戦に続く2戦連発で一気に大台に乗せた。「うれしい気持ちもあります。もっと打てるように頑張っていきたい」と喜びはほどほどに先を見据えた。今季は戸郷の登板試合で11発目。「いいリズムで投げてくれてますし、また打てるように」と感謝も忘れなかった。

40発は球団の生え抜き右打者では19年坂本以来、2人目だった。21年は39号を放った後、26打席ノーアーチで大台には届かなかった。この日の40号は3打席ぶり。あっさりと次の1本を生み出した。

昨季まで5年連続30本はクリアしていた。オフには現役最多の本塁打数を誇る西武中村との合同練習で「40発の壁」を越える思考法を伝授された。「1カードに1本打てば、だいたい48本」との言葉に耳を傾け、うなずいた。「1カード」を目安にすれば、気持ちを切り替えやすい。もし2試合連続で結果を出せずとも、3戦目で打てばいいとも割り切れる、という極意だった。もともとは「月に7本」のイメージを持っていただけに新鮮だった。8日中日戦から4試合ノーヒットが続いたが、すぐに不調を脱した。

前夜は目前での胴上げを許した。歓喜の輪の光景を目に焼き付け、CS出場、その先の下克上に気持ちを切り替えた。「まだ残り試合もある」。3位DeNAを2・5ゲーム差で追走する。もう残りは13試合。1試合、1試合の重みは増していく。ひっくり返すには主砲の猛打が欠かせない。【上田悠太】

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