タイトルを争う投打の柱が奮起し、4位楽天がクライマックスシリーズ(CS)争いに踏みとどまった。4番浅村栄斗内野手(32)は3点を追う4回にリーグトップタイの26号ソロで反撃ののろしを上げ、5回には同点となる2点適時打の活躍。一気に逆転に成功すると、最後は松井裕樹投手(27)が9回を3者凡退で締めた。自己最多39セーブで2年連続3度目のセーブ王が確定。3位ロッテと0・5差に再接近した。

  ◇  ◇  ◇

負ければ2位ソフトバンクのCS進出が決まる1戦で、主将が意地を見せた。4回1死、浅村は日本ハム根本の内角高め140キロを左中間に運んだ。「いい風が吹いてたんで、フライ打てば入るかなと」。読み通りに打球はフェンスを越えてスタンドイン。25発で並んでいた日本ハム万波の前で、ロッテ・ポランコに並ぶリーグ最多26号ソロを放った。

さらに5回には、2死満塁から同点の2点中前打。1人で3点ビハインドを振り出しに戻し「4番の仕事は最低限、したいなと思ってましたので、よかったです」。44日ぶりの先発で3回3失点KOされた早川の負けを消し、岡島の勝ち越し打につなげた。

主砲が自身2度目の本塁打王をたぐり寄せ、守護神は3度目のセーブ王を確定させた。松井裕は2点リードの9回、総力戦の7番手で登板。万波、清宮、有薗の2、3、4番を10球で3者凡退に仕留めた。自己最多の39セーブとなり、36セーブのロッテ益田が残り3試合すべてセーブしても追い抜けない。昨季に続くタイトル獲得が決まった。

慢心はない。「セーブは僕の力を測る指標ではないので、前を投げてくれたブルペンの仲間に感謝」と言い、通算500登板にリーチをかけたことにも「益田さんは700試合投げてたんで。僕なんかまだまだです」と笑った。

4番と抑え。投打を支える2人に共通するのは、個人記録よりもチームの勝利に徹することだ。浅村は「CS出てタイトル取るのと、Bクラスでタイトルとるのでは全く意味が違う」と言い切った。残り2試合で、3位ロッテと0・5ゲーム差に迫った。9日には直接対決も残っている。Aクラスは譲らない。

▽楽天石井監督(浅村について)「みんな3割打ったら一流なので、そんな中で、ここは逃さないという集中力を見せてくれた。(残りはソフトバンクとロッテ戦)どこっていうよりも、とにかく1試合勝つことが大事。チームみんなでしっかりと勝ちきりたいと思います」

【関連記事】楽天ニュース一覧