広島がサヨナラ負けを喫し、CS敗退の瀬戸際に追い込まれた。1-1同点の9回2死満塁で、守護神栗林良吏投手(27)が阪神木浪に右前適時打を浴びた。アドバンテージ含め、広島は0勝3敗となった。

栗林は「最後の1球(フォーク)もワンバウンドというか低めに狙って投げた球が高めにいってしまいましたし、そういうところでしっかり投げられない」と首をひねった。9回は1死から大山に二塁打、佐藤輝は三振に打ち取り、ノイジーを申告敬遠。2死一、二塁から坂本をストレートの四球で出し満塁とピンチがふくらんだ。「坂本さんの四球じゃなくて木浪さんをアウト取れれば別になんともなかった。自分が投げたいところに投げられなかったところかなと思います」と悔やんだ。

先発大瀬良大地投手(32)は、立ち上がりからフルパワーで力投。1回、阪神の3番森下を150キロの速球で空振り三振に取りほえた。3回には森下に左翼フェンスギリギリの大飛球を打たれた瞬間、マウンドでしゃがみ込んだ。5回2死一、二塁のピンチに中野を三振に打ち取ると拳を力強く握った。2回に味方失策で1点を失ったが、感情をあらわにする熱投ぶりで、7回5安打1失点(自責0)と先発の仕事を果たした。「腕も振れてたし、体自体もよく動いてくれてたので、真っすぐも良かったと思いますし、その分、他の球種もうまく使えたのかなと思います」。気持ちが出ていたことには「もう持ってるものを全部出して、ねじ伏せてやろうという気持ちでマウンドに立ってたので、そういう気持ちの、表情だったり、姿だったり、出たのかなと思います」。

打線は1回に小園海斗内野手(23)の適時打で先制したが、その後は阪神投手陣を攻略できなかった。

選手会長でもある大瀬良は「土俵際追い詰められた感じであるかとは思うんですけど、監督が最初話してくれたように、失うものもないし、本当にぶつかっていくだけだと思うので、いろんなことをあれこれ考えずにまた明日勝てるように、その気持ちだけで朝、元気に試合に向けて戦う姿勢で球場に来たいなと、みんなで」と前を向いた。

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