最速152キロ左腕として注目された享栄(愛知)の東松快征投手(3年)が、オリックスから3位で指名された。

名前を呼ばれると、それまでの緊張した表情を緩め、隣に座る大藤敏行監督と握手をかわして喜んだ。「オリックスは熱心に来てくださっていたので、予想していた球団の1つでした。自分の中でも良い印象の球団なので、うれしいです」

ソフトバンク1位指名の大阪桐蔭・前田悠伍投手とともに注目を集めてきた剛腕は、悔しさを乗り越えてのプロ入りになる。4月の高校日本代表候補合宿に参加したが、今夏の愛知大会では準々決勝で愛工大名電に0-10で敗戦。2回途中7失点で降板した東松は、その後のU18日本代表にも選出されなかった。この日も「一番意識してきた」という前田の名前が先に呼ばれ、唇をかんだ。

負けず嫌いをむき出しにする東松は、その悔しさをプロの舞台で晴らすつもりだ。「ドラフト1位で競合っていう目標は達成できなかった。でも(プロに)入ったら一緒。自分が一番下手くそだと思って練習して、今年のドラフト選手の中で自分が最初に1軍デビューできるようにやっていきたいです」。

選手として目指すのは、米大リーグの最優秀投手賞「サイ・ヤング賞」だ。20年にダルビッシュ有投手(37)が最終候補の3人に入ったのを見て、そこから公言してきた。

投手力の高いオリックスからの指名には「楽しみでワクワクしてます。そこでエースにならないとメジャーで活躍できない。レベルの高いチームでやるのが好きなので、楽しみます」。大きな目標への第1歩となる来季に向け、東松は高ぶる気持ちを抑えきれない様子で意欲を語った。