プロ野球の快記録や珍記録を振り返る「データで見る23年」を今日から13回連載します。プロ野球を球団別に今日から12回。続いて日本人大リーガーを取り上げます。第1回は日本ハム。自身最多の25本塁打を放った万波中正外野手(23)を取り上げます。

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23歳の万波が自身最多の25本塁打を放った。札幌ドームではプロ4年間で通算6本塁打だったが、新球場のエスコンフィールドで11本打った。同球場ではマルティネス(日本ハム)の6本を上回り、万波の11本が最も多かった。新球場で躍動するも、得点圏に走者がいる場面で1発が出なかった。25本の内訳は走者なし19本、走者一塁6本。シーズン20本以上で得点圏の本塁打0は7人目で、25本以上は66年ボレス(近鉄)92年駒田(巨人)09年G・G・佐藤(西武)に次いで4人目の珍記録となった。

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9月16日ソフトバンク戦で先制の先頭打者本塁打とサヨナラ本塁打を打った。同一試合で「先頭」と「サヨナラ」の両方は93年10月13日パウエル(中日)に次いで2人目。今季の万波は先制や勝ち越しなど、肩書の付いた殊勲打が多かった。殊勲安打が昨年の10本からリーグ最多の30本、殊勲本塁打も昨年の6本からリーグ最多の15本に増えた。殊勲安打と殊勲本塁打の両方がリーグ1位はセ・リーグで35度、パ・リーグで40度あるが、23歳以下のシーズンに記録したのは万波を含め58年長嶋(巨人)22年村上(ヤクルト)ら6人、7度しかない。

本塁打王には1本届かなかった。1本差で涙をのんだ翌年に本塁打王を獲得した選手には、37年春の松木(タイガース)72年長池(阪急)96年ニール(オリックス)98年松井(巨人)がいる。松井は23歳の97年がホージー(ヤクルト)に1本差の2位で、24歳の98年に34本打って初の本塁打王に輝いた。松井同様に、万波も23歳の1本差から24歳で初のキングとなれるだろうか。【伊藤友一】