日本ハム宮西尚生投手(38)がゴールデンスピリット賞を受賞し、感謝の言葉を口にした。

21日、都内で社会貢献活動を評価された選手に贈られる同賞授賞式に参加。救援陣が15年から公式戦で挙げたホールドとセーブ1つにつき1万円をNPO法人などに寄付をしてきた。「個人でやるよりも続けられることが大事」と支援の輪を広げた。表彰式には12年から10年間、日本ハムの監督だった栗山英樹氏(62)も登壇。恩師の前で晴れ舞台に臨んだ。

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“感謝の勲章”だった。プロ16年で通算393ホールドを積み重ねてきた大ベテランはマウンド同様、壇上へも堂々と上がった。だが心境は違う。「マウンドは緊張しない。でも昨日はほとんど寝られなかった」と特別な“マウンド”に臨んだ。

冒頭から感謝が尽きなかった。活動を始めたのは15年。個人としてだけではなく、公式戦で挙げたホールドとセーブ1つにつき1万円をブルペン陣とも寄付してきた。「15年から9シーズン、共に腕を振り続けてきたピッチャー1人1人の顔が思い浮かびます。私がケガや不調で苦しんでいる間、私の分まで頑張ってくれた先輩、後輩たちがいてくれたからこそ、今回の受賞につながったと思います」と、仲間への思いを口にした。

壇上の下にいる栗山氏にも「僕がここまで来られたのは栗山監督のおかげ」と伝えた。それを聞いた栗山氏は、マウンド上の宮西をベンチから引き締まった表情で見つめる“栗山監督”とは違う、優しいまなざしだった。

恩師には背中を押されてきた。具体的な年は明かさなかったが、不調でリードを守れない試合が続き、監督室へ。「自分が引っ張っていかなきゃいけない立場なのに、失敗ばっかりしてすみません」と頭を下げた。その後の栗山監督の言葉は忘れることはない。「おまえにどれだけ助けられたか。おまえで失敗して試合に負けたとしても、俺は全然納得できる」。その言葉を胸に、腕を振り続けた。

来季はプロ17年目。前人未到の通算400ホールドにも7に迫った。「1年間50試合投げて、チームと社会に貢献する」。まだまだ、これから。39歳の来季も、みんなのために投げ続ける。【黒須亮】

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