100周年の聖地で50年ぶりの快挙だ! 阪神ドラフト3位の山田脩也内野手(18=仙台育英)が3日、さいたま市内の公園で自主トレを行った。甲子園に春夏通じて3度出場し、22年夏には全国制覇したが、本塁打はなし。高卒1年目に本塁打を放てば阪神では74年掛布雅之以来50年ぶり。それが聖地で出れば言うことなしだ。守備にも定評あるルーキーが、記念のアーチを目指す。

   ◇   ◇   ◇   

良い年になるというお告げに山田は喜んだ。元日に埼玉・氷川神社で引いたおみくじは「吉」だった。「勝負強いことだとか仕事とか、いい感じですということが書いてあったので、特に悪い年ではないかなと。期待したいなと思います」。幸先の良いプロ1年目のスタートだ。

仙台育英では22年夏の甲子園で、レギュラーとして全国の頂点に立った。春夏通じて3度出場したが、本塁打は出なかった。「ホームランバッターじゃないので、そんなバカバカ打てるような感じじゃないですけど、1本は打ってみたいなという気持ちはあります」。高卒1年目に本塁打を打てば、阪神では74年の掛布雅之以来50年ぶりとなる。守備力に定評のあるルーキーも貪欲に狙いにいく。

イメージはできている。社会人野球のTDKで外野手としてプレーする兄利輝(24)は同じ仙台育英OBで、高3時の17年夏の甲子園で先制2ランをマーク。山田はスタンドから見守っていた。「打った瞬間、レフト越えるなみたいな感じだったんですけど、伸びてって」。肌で感じた盛り上がりも覚えている。「ホームランだったら歓声がすごいので、それをあのダイヤモンドを回りながら感じたい」。高校時代に聞けなかった大歓声を、プロで聞くつもりだ。

今年の目標は「土台作り」。野球始めとなったこの日は、中学生以来という父浩二さん(45)からのノックを受け「結構左右に振るなあと。結構しんどかったですね」とさわやかな笑顔を見せた。毎日体を鍛え、打力を磨いた先に1軍の舞台が待つと信じる。「まずはしっかり体を作って、呼ばれたらそこでしっかり結果を出せるように頑張っていきたい」。本拠地になる聖地は、すでになじみ深いグラウンド。「自分を成長させてくれる場所。あの舞台に戻りたいなという気持ちはあります」。8月に100周年を迎える甲子園で、50年ぶりのアーチをかけたい。【磯綾乃】

【関連記事】阪神ニュース一覧