日本ハム五十幡亮汰外野手(25)は、広島秋山らと合同自主トレを行っている“開国のまち”静岡・下田でチームの先輩、上沢直之投手の去就を知った。「決まったんですか!」。笑顔の五十幡だったが、少し残念そうに「でも、お立ち台は、ちょっと後悔しています」。悔やむのは昨年7月28日オリックス戦(エスコンフィールド)のヒーローインタビューだ。五十幡にとっては、初めてのお立ち台。一緒に上がった投のヒーローが、上沢だった。

実は、上沢とはプロ入り前から不思議な縁がある。10年前のこと。当時、中学3年生だった五十幡は知人を通じてプロ2年目のオフを過ごしていた上沢と合同練習する機会があった。「プロ野球選手ってすごいなって思ったのと、生で、直でサインをいただいたのが上沢さんが初めてだったので、今でも実家にサインが置いてあります」。場所は上沢の母校、専大松戸のグラウンド。「『プロ行きたいんでしょ』って。『はい、プロ野球選手を目指しています』と言ったら、『この世界で一緒にできたらいいな』って言ってもらった」。この出来事が、今に至る五十幡の原点になった。

その後、中大を経て日本ハム入りした五十幡を、上沢は、しっかり覚えていた。あいさつすると「『おーイソ、来たか!』みたいな感じで言ってくれたので、うれしかった」。成長の原動力になった憧れの人は、時を経ても気さくで優しかった。

2人並んだヒーローインタビューの写真は、実家に飾ってある。初めてもらったサインが上沢だったと、あの日、お立ち台で公表したかったのに「緊張しすぎて…」言えなかった。「『イソ、頑張ってるな』って言ってもらえるように自分も活躍して、またこの話を上沢さんとできたらうれしいです。まずは自分が頑張ります」。米国にいる上沢に、今季こそレギュラーとして大活躍するニュースを届けてみせる。【木下大輔】

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