阪神の沖縄キャンプで臨時コーチを務める鳥谷敬氏(42=日刊スポーツ評論家)が佐藤輝明内野手(24)に三塁の「短期集中講座」を施すことを明言した。昨年に続いて3日間の指導を予定。昨年、内野手3人(大山、中野、木浪)がゴールデングラブ(GG)賞を受賞した「黄金の内野陣」の中で、三塁だけは取り逃した。遊撃、三塁でGG賞経験のある鳥谷氏はすでに改善点のイメージができている。自身の三塁へのコンバート経験も踏まえて奥義を注入する。

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沖縄入りを2週間後に控えた鳥谷氏は、具体的なイメージを膨らませていた。初めてキャンプで臨時コーチを務めた昨季は、中野&木浪の二遊間コンビがGG賞を初受賞。2人の守備力は、そのまま優勝に向かう原動力となった。

「もともと力のある選手たちなので、自分が言ったからどうこうではないです。少しでも何か感じるものがあって、ヒントにしてもらえるなら、それでもう十分」と謙遜した。

今年の強化ポイントは…。おのずと三塁の佐藤輝が挙がってくる。「二遊間とまったく違う独特なポジション。三塁ならではの参考になるものが少しでもプレゼンできたら」。コンバート経験を踏まえた三塁講座は有意義になりそうだ。

佐藤輝は昨季、プロで初めて三塁に固定されたが、セ・リーグで三塁ワースト2位の20失策。本拠地が土の甲子園とはいえ、GG賞のDeNA宮崎の9と比べても多い。昨年のキャンプで鳥谷氏は「脱力」の重要性を説いていた。解説者としてプレーを俯瞰(ふかん)する機会が多かった。「もう少しこうしたら楽にできる、とかはあります。ちょっと自分自身で難しくしているのかな」と、うなずいた。

昨年は果たせなかった2軍キャンプ訪問も予定する。今年はドラフト3位山田脩也(18=仙台育英)、4位百崎蒼生(18=東海大熊本星翔)と2人の高卒遊撃手が加入し、若手二遊間がめじろ押しだ。「めちゃくちゃ多いですね。若い選手を見ることはなかなかないので、これからの参考になるようなことを少しでも感じてもらいたい。選手によって必要なものは違うんですけど、早めに必要なものが分かれば先の野球人生が変わってくると思う。そういう助言ができればと思う」と心待ちにした。

質の高い守備は岡田野球の根幹。鳥谷氏の教えに、連覇へのヒントが隠れているのは間違いない。【柏原誠】

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