中日根尾昂投手(23)が、開幕ローテーション入りを猛アピールした。17日の練習試合DeNA戦(北谷)で対外試合に初先発。3回29球を投げ、1三振を含む完全投球を披露した。

初回は7球で梶原、林、蝦名を料理。2回は先頭のDeNAドラフト6位井上絢登内野手(23=四国IL・徳島)からフォークで空振り三振を奪い、1人の走者も許さずに9個のアウトを積み重ねた。「初回、初球を大事にした。あとは木下さんのリードに従いながら。いろいろ試せた部分もあった。収穫はあった」と振り返った。

直球の最速は143キロ。カーブ、スライダー、フォークと持てる球種を駆使した。「全球種もっともっと精度を上げないといけないかな。いろんなボールを投げて、打者も見ながら投げられたので、次につながった」。実戦初登板を経て、課題も収穫も見つけた。

キャンプ中には現役時代に独特のカーブを使いこなした元エース、今中臨時コーチから直接指導も受けた。「(コーチとは)もともと投げていたカーブをこう変えたらいいよね、という話をした。今日(カーブを)投げて、もっと試行錯誤できるなと思った」。昨オフから課題の1つに挙げてきたカーブへの探究心も、さらに深まった。

立浪監督は「球が動いてるのと、真っすぐでもいい緩急が効いていた。いい投球をしてくれた。どんどんレベルを上げてもらいたい」と評価。根尾は「ローテーションを争っている、いい投手はたくさんいる。絶対そこに負けないという気持ちでしっかり投げます」と開幕ローテ6人衆に割って入る。【伊東大介】

◆根尾のここまで 根尾は大阪桐蔭で投打二刀流で春夏甲子園連覇の軸となり、18年ドラフト1位で中日に入団した。入団後は遊撃1本を宣言したが、定位置を奪えず。立浪監督が就任した22年は、強肩を生かす目的で外野手に挑戦。キャンプから並行して投球練習も行っていた。同シーズンは外野手登録で迎え、5月8日の2軍戦に救援で投手デビュー。5月21日広島戦に救援で1軍初登板し、投手登録変更を経て25試合1ホールドで転向1年目を終えた。23年は春季キャンプで制球難に陥り、終盤2試合の1軍先発登板で終えた。

◆中日の開幕ローテーション争い 昨季、規定投球回をクリアした柳、小笠原、高橋宏が先行する。右肘のトミー・ジョン手術を経て昨季終盤に戦列復帰し3戦1勝の成績を残した梅津、昨年4月に左肘のクリーニング手術を受けたエース大野はともにブルペンで仕上がりの良さをアピール。現時点ではこの5人が有力だ。残り1枠を巡ってドラフト1位草加勝投手(22=亜大)も候補だったが、キャンプ直前の右肘手術で離脱。ベテラン涌井や松葉、2年目の仲地、根尾が開幕先発6人衆の最後の1人を争う状況になっている。