再起を期すソフトバンク東浜巨投手(33)が、開幕ローテーション入りへ前進した。ヤクルトとのオープン戦に初登板初先発し、4回を投げ4安打無失点の好投。初回から毎回安打で走者を背負ったが、この日最速148キロ直球を武器に三塁すら踏ませなかった。昨季は6勝7敗と不本意なシーズンに終わり、巻き返しの今季へ、自然体で残り4枠の開幕ローテ入りを狙う。チームはヤクルトに連勝し、対外試合負けなしの8連勝となった。

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開幕ローテーション入りへ、東浜が真っすぐで押し込んだ。初回、ヤクルト先頭浜田に3球とも直球勝負を選択。2球で簡単に追い込むと、最後はこの日最速148キロ直球でバットの空を切った。「真っすぐはいい感覚で投げられた。ファウル、空振りも取れていて、そこはまず大前提として安心材料ではある」と胸を張った。

立ち上がりから毎回安打で走者を背負うも、きっちり要所は締めた。予定の4回を投げ4安打無失点。今季3度目の実戦で最多61球を投じ、「これからまだまだいけるかなと思います」と振り返った。直球に手応えを示す一方で、今後への課題もあった。試合前、バッテリーを組んだ谷川原とは「曲がり球を多めに使っていこう」と打ち合わせ。持ち球でオフに改良したシンカー、スライダーなどを試投。ただ、許した4安打のうち3本が変化球を仕留められたものだった。「変化球の精度はこれからの課題。何球か真ん中にいくこともあった」と改善点に挙げた。

プロ12年目。今季は再起を期す。17年に16勝でパ・リーグ最多勝に輝くも、昨季は6勝7敗、防御率4・52と不本意な1年となり、今シーズンの開幕ローテは白紙の状態。「アピールする立場には変わりない」と自らを位置づける。春季キャンプ中にはチーム一番乗りでブルペン入りするなど、24年にかける思いは強い。

すでに決定している有原、和田を除いて開幕ローテは残り4枠も、東浜は自然体を貫く。「誰がどうとかそういったものはない。優勝の力になれるようにしっかり任されたところで仕事がしたい」と言う。次回登板は13日か14日の巨人とのオープン戦での先発が濃厚。球数も70~80球を目安にマウンドに上がる予定でいる。「細かい感覚を突き詰めてやっていきたい」とシーズン本番に向け、さらに仕上げていく。【佐藤究】

▽ソフトバンク小久保監督(先発東浜について)「出力は出ていたと思いますよ。球数が増えても球威で押せるように段階を上げていけばいいと思います。今日の時点では全然いいと思います」

 

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