巨人菅野智之投手(34)が開幕ローテーションの“トリ”を飾った。初回先頭こそ四球を許すも、序盤から小気味よく打ち取った。2死二塁から元同僚の4番中田をカットボールで詰まらせ中飛。「(初登板は)やっぱり独特の緊張感がありますし、自分自身もいろんな思いを持ってマウンドに上がっている。でも、それ(初回)以降は落ち着いて投げられた」。解き放たれ、快投が始まった。

最速153キロの直球にカットボールをはさみ、フォークもさえ渡った。4回1死一塁。中田を三ゴロで併殺打に打ち取った。「できれば対決はしたくないけど…」と語っていた同じ89年生まれ。侍でも巨人でも共闘し、再び違うユニホームで対峙(たいじ)した。「やっぱり威圧感ありました。近目(内角)もしっかり投げきって、いろんなボールを使いながら真っ向勝負できた」。7回、3度目の対戦では2球続けて胸元めがけ内角直球。カウント3-2から153キロ直球で一邪飛に打ち取った。残していた余力をぶつけた。

2月。春季キャンプで杉内投手チーフコーチに呼ばれた。これまで8度開幕投手を務めてきたが、開幕6番手としての打診にも「木曜ローテで頑張ります」と即答した。3月29日の開幕から6日。2連勝後、3連敗した間も「テンションを一番上にもっていくのは難しいので、ある程度、楽観的に試合を見ながら過ごしていた」。自身の“開幕”へピークを合わせたのも、ベテランのなせる技だ。

小林との「スガコバ」バッテリーは22年6月17日以来657日ぶり。「うまく引き出してくれた」と3併殺をもたらした相棒への感謝も忘れず、7回4安打無失点。風格を漂わせながら、連敗を食い止めた。【栗田成芳】

▽巨人小林(今季初スタメンで菅野とバッテリー)「昨年は試合で1試合も受けていないですし、練習でも受けた覚えがなかった。かと言って、久しぶりの感じもなかった」

▽巨人阿部監督(7回無失点の菅野に)「丁寧にいきつつも、カウント悪くなって大胆にいったりもできていたので良かった」

▽巨人杉内投手チーフコーチ(菅野を先発6番手にした理由)「中5日で開幕投手がきた場合に戦えるピッチャー。なんとか16勝してもらいたい。開幕投手と戦ってもいい勝負ができると僕は思ってます」

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