上本崇司内野手(33)が指揮官の起用に応えた。3点ビハインドから1点差に迫った8回2死一、二塁から同点打を放ち、逆転勝利の機運を高めた。

終盤の好機で巡ってきた打席。上本自身、代打策の可能性に「全然(頭に)ありました」と吐露する。この日はヤクルト高橋奎の前に遊ゴロ、三振、遊失策と、3打席無安打だった。ベンチには代打の切り札松山のほか、スタメンから外れた秋山も控えていた。代打も覚悟してベンチを見ても、動くそぶりはない。「監督を見たら、意味のある送り方をしてくれたので、これは死んでも打たないといけないなと思いました」。打席へ、真っすぐ向かった。

カウント2-2と追い込まれながら外角低め真っすぐに「死ぬ気で」食らいつき、右翼線に落とした。同点に追いつき、松山の決勝打のお膳立てをした。試合後、上本を奮い立たせた送り出し方について問われた新井監督は「崇司がこっちを見ているから、“お前よ、お前よ”と。迷いなく任せたぞと」と明かした。打席に送り出した上本、そして続く代打の切り札松山で逆転。「よくこちらの期待に応えてくれた。あそこは崇司で行くって決めていた。よく崇司も、まっちゃんも打ってくれた」。選手起用が見事にハマった新井監督は試合後、選手たちへの賛辞を惜しまなかった。【前原淳】

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