中日柳裕也投手(29)が九里亜蓮とのキラー対決を気迫で制した。7回5安打無失点で今季初勝利。「早い段階でひとつ勝ててほっとしている」と笑みを浮かべた。

広島九里との投手戦。選手会長の攻守に渡る熱いプレーが待望の1点を呼び込んだ。8回、先頭中田が左翼線へ二塁打。細川が右前打で続く。中田の代走田中は三塁を回ったところで一度は止まったが、右翼田村がファンブルした瞬間、ホームに突進、生還(記録は安打と失策)した。

ザ・柳ショーだった。3回の打席では右前にはじき返した痛烈な打球を前進守備の田村に処理され、まさかのライトゴロ。試合後は「記憶から消します。野球やってて一番速く一塁まで走ったと思います」と笑わせた。

5回無死一塁は菊地の投ゴロを腹部で受け止めた。痛みをこらえて二塁へ送球し、併殺を完成。「体のど真ん中で取りました。グローブ間に合わないと思ったので、体で止めにいきました」。文字通り体を張ったプレーで先取点を与えなかった。

昨季は打線の援護に恵まれず、広島戦8戦2勝3敗も防御率は1・36。堂々たるキラーだが、九里も中日には7戦4勝、防御率1・50。負けられない投手戦を闘志で制した。「1点勝負になると思ったのでとにかく投げ負けないように、という気持ちでした」。チームを勝率5割に戻す熱投ショーを熱い言葉で締めくくった。【安藤宏樹】

▽中日立浪監督(先発柳が九里との投げ合いを制して勝率5割復帰)「先に点を与えなかった。結果的に(柳に)勝ちもついてよかった。明日はもう少し点が取れるようにしたい」

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