ギータの一振りで決着だ! ソフトバンク柳田悠岐外野手(35)が、今季1号の逆転2ランを放った。1点を追う8回2死二塁。楽天のターリーから右中間席へたたき込んだ。前日5日の同戦は3安打2打点の活躍。チーム最年長野手が連日バットで勝利を呼び込んだ。主砲の一打で今季初の3連勝。開幕8試合を終え、6勝2敗で貯金4とした。小久保ホークスが快調な滑り出しを決めている。

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鋭いインパクト音を残し、柳田は確信歩きを始めた。「『いってくれー』って感じ」。打球は曇天を切り裂くように勢いよく飛んでいった。楽天ファンの悲鳴とともに、右中間スタンドに着弾。「角度がついて越えてくれた」。今季34打席目で24年初アーチ。「0よりは1の方がいい。また打てるように」。ひと仕事を終えても、主砲の表情は引き締まったままだ。

1発が欲しい場面で決めた。1-2の8回2死二塁。楽天ターリーの初球、内角148キロ直球を仕留めた。「何とかしたいなと思って」。逆転された直後の好機で勝負強さを発揮。一振りで助っ人左腕を打ち砕いた。前日5日の同戦は3安打2打点の活躍。連日バットで存在感を示した。「勝ちにつながった」。チームの勝利が何よりだ。

プロ14年目。ベテランの域に入り、チームでは最年長野手になった。オフには山川、ウォーカーが加入。打線に厚みが増した一方で、ウォーカーとの兼ね合いで昨季67試合出場したDH起用は減った。開幕から7試合連続で右翼出場。守備では、フェンス激突のプレーを見せるなどケガを恐れないハッスルぶり。衰え知らずで、今年36歳のシーズンとは思えない。「もっともっとっていう気持ち」。妥協はない。攻守でチームを引っ張り続ける。

自然と後輩たちからも慕われる。今年3月。川村、緒方、井上と若手3選手を引き連れてカニをごちそう。席の場で野球の話は一切ない。日常的な会話で親交を深める。この日川村はプロ初安打を含む2打点をマークした。「川村です。おめでたい日」。試合後のお立ち台も譲り、後輩思いな一面もある。プロ3年目にきっちり花を持たせた。

主砲の一振りで今季初の3連勝とし、開幕3カード連続の勝ち越しで貯金4。楽天戦では節目の通算250勝のおまけまでついた。4年ぶりのV奪回へ、小久保ホークスの視界は良好だ。【佐藤究】

【動画】ソフトバンク柳田悠岐ガッツポーズの一撃、今季1号2ランは逆転された直後の再逆転弾!