ソフトバンク和田毅投手(43)が10日、完全復活に向けて大前進した。ウエスタン・リーグ、オリックス戦(タマスタ筑後)で約2週間ぶりに実戦復帰し、6回4安打無失点。最速は143キロを計測した。左手中指のマメの影響で開幕ローテーションを回避した左腕が、小久保裕紀監督(52)が視察した“御前試合”で上々の仕上がりを披露。即1軍昇格はならずも「今年一番良かった」と指揮官をうなずかせた。

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投じた75球は和田の本来の姿だった。直球で空振りを奪い、チェンジアップやスライダーでもバットに空を切らせる。4回先頭、小田からは140キロのストレートで見逃し三振だ。「いい時の感覚に戻りつつある。一番いい時に比べればまだまだですけど、ようやく勝負できる形ができつつあります」。プロ22年目の大ベテランにようやく明るい表情が戻ってきた。

和田は左手中指のマメの影響などで開幕ローテーションを緊急回避。実戦登板は3回途中8安打5失点だった3月26日の2軍広島戦以来、約2週間ぶりだった。当時とは見違えるような好投で、最速は143キロを計測。「今日はいい形で投げられました。指に関しては投げていて不安はなかった」と周囲を安心させた。

この日は1軍の試合がなかったため、小久保監督と倉野信次1軍投手コーチ兼ヘッドコーディネーター(49)が視察に訪れた。小久保監督は「今日1回ですぐに次は上(1軍)というのはないですけど」と即GOサインこそ出さなかったが「今年で一番良かったんじゃないですかね。倉野コーチと一緒に見ていましたけど、真っすぐも変化球も今年一番良かったように見えました」とうなずいた。再出発を図る和田にとっては、1軍の首脳陣が見守る“御前試合”で最高のアピール。次回は19日~21日の同リーグ広島戦で先発する。

気になるマメの状況について和田は「固まりつつある」と説明した。患部周辺の皮がむけている状況で「投げていて特に痛みとかはなかった。指の状態も完璧にしていきたい」と完全復活に向けて着々と歩みを進めているようだ。マメが完治し、2軍での登板を重ねれば1軍昇格が決まる。43歳和田の今季初先発はそう遠くないはずだ。【只松憲】

▽ソフトバンク倉野1軍投手コーチ(和田の投球について)「(復活に)かなり前進したんじゃないかなと思います。本人の感覚と球の評価はしっかりしたい。どっちもいいとなれば1軍の登板を考えていきたい」

▽ソフトバンク松山2軍監督(小久保1軍監督が視察に訪れた中で大勝)「選手のテンションもモチベーションも上がるので助かりました。今日の勝利は間違いなく小久保監督のおかげですよ。ありがたいです。初回の6連打なんて初めてですよ。毎日やってくれよと思います(笑い)」

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