黄金左腕がベールを脱ぐ。ソフトバンクのドラフト1位、前田悠伍投手(18)が20日の2軍広島戦(タマスタ筑後)で公式戦デビューする。

中継ぎで1~2イニング登板予定。デビュー戦を2日後に控えた18日は、ブルペンで計19球を投じた。真っすぐ、変化球ともに手応え十分。本番へ万全を期した。未来のスター候補として期待のかかる背番号41が、エースへの第1歩を踏み出す。

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黄金左腕がベールを脱ぐ。ドラフト1ルーキー前田悠は、公式戦デビューにイメージを膨らませた。「自分のやってきたことがどれだけ通用するか。試す意味でも1球1球しっかり投げれたらいいかなと思います」。20日の2軍広島戦に中継ぎで1~2イニング登板予定。持てる力を全て出し切るつもりだ。

じっくり力を蓄えてきた。未来のエース候補として期待される金の卵。入団後から球団が考案した「特別育成プログラム」に沿ってメニューを消化してきた。春季キャンプ中には4度のブルペン入り。今月7日、14日と2度のライブBPに登板。高卒1年目でメインは体づくりとし、計画的に段階を踏んできた。「筋肉量が増えた。その分ボールに変化は出てきている。球の強さは感覚的に上がっている」。体重の変化こそはないが、体つきはがっちりしてきた。

同期入団で大卒組の岩井、村田、沢柳はすでに1軍初登板を終えた。前田悠は「自分のペースで」と周りは意識しないが、マウンドに立ちたい思いは人一倍。「待ちに待ったというか…。楽しみの方が大きいので、緊張とかはしないと思います」。大阪桐蔭では春夏通算3度の甲子園に出場。3年時にはU-18日本代表のエースとして初の世界一に貢献した。何度も大舞台を経験しているだけに、プロ初登板も動じることはない。

入念に調整し、手応えは十分だ。本番を2日後に控えたこの日はタマスタ筑後でブルペン入り。計19球、直球を中心に投げ込んだ。「指のかかりは良かった。真っすぐもしっかりいっていましたし、変化球もまとまっていた。いい準備ができた」と納得の表情で汗をぬぐった。背番号41がいよいよスターへの第1歩を踏み出す。【佐藤究】

▽ソフトバンク前田悠の公式戦デビューまでの経過

◆初ブルペン B組(2軍)の春季キャンプ第4クール初日の2月15日にブルペン入り。ブルペン捕手を立たせて、直球のみを計20球。小久保監督はポテンシャルの高さを絶賛した。

◆春季キャンプを完走 2月25日に4度目のブルペン入り。中腰に座るブルペン捕手に計30球を投げ込んだ。プロ初の春季キャンプを「80点」と自己採点した。

◆初のライブBP 4月7日にプロ入り後初めて打者相手に投じた。打者14人に計40球を投げ安打性は4。最速140キロ直球に、チェンジアップ、ツーシームを交えながら2三振を奪った。

◆最速147キロ 4月14日にプロ入り後2度目のライブBPに登板。最速147キロをマークし、打者11人に対し安打性は2。先頭から打者6人で計5三振を奪う内容だった。

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