日本ハム新庄剛志監督(52)も大感動の5連勝(1分け挟む)だ。「勝ちに食らい付いていく一生懸命な姿を見ていたら、涙が出てくる。こんな勝ち、ある?」。延長12回2死二、三塁で途中出場の上川畑大悟が左前へ決勝打。「よう打ったわ。ああいう勝負強いところは1年目から、何か持ってるね」とうれしそうに劇的勝利を振り返った。

試合の流れが悪くても、のみ込まれない強さが宿ってきた。この日は初回1死一塁でエンドランを仕掛けたが、万波の打球は二塁ベースへ一直線の二ゴロで併殺打。1点リードの7回から投入した金村は2イニング目で代打茂木に同点1号ソロを献上。他にも采配が思うような結果につながらない場面もあった。

昨季までなら負けパターンの展開だったが、最後のワンチャンスを生かして勝ちきった。昨季は17勝31敗と苦しんだ1点差試合は、これで今季5戦全勝。「これは2年間の成果ですよ」と新庄監督。多くの経験をさせてきた選手たちがミスをしても引きずらず、いつでも劣勢をひっくり返せる地力が付いてきた。「面白いね。今年は本当に面白い」。貯金は就任3年目で最多の4。今年の新庄ハムはひと味違う。【木下大輔】