ギータがレジェンドの域に達した。ソフトバンク柳田悠岐外野手(35)が、4回の第3打席でNPB通算5000打数の大台に到達。節目の打席は打点つきの二ゴロで、5回はダメ押しの中越え2点二塁打を放つなど計3打点で10得点大勝に貢献した。5000打数以上の通算打率は歴代4位の“打撃の神様”川上哲治に7毛差に迫る同5位の3割1分2厘7毛で落合博満、長嶋茂雄らも上回る。チームは連勝で貯金は今季最多の7、首位がっちりだ。

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柳田が並み居る強打者の領域に足を踏み入れた。3点リードの4回1死満塁で迎えた第3打席。二保の変化球を一、二塁間に運ぶ二ゴロで三塁走者を生還させリードを4点に広げた。この打席でNPB通算5000打数の大台に到達。「いやいや。まだまだ。まだ野球人生はあるので」と満足することはなかったが、堂々の数字が光り輝く。

5000打数以上での通算打率3割1分2厘7毛は歴代5位。あの落合博満、長嶋茂雄らの上を行く。さらに同4位の“打撃の神様”川上哲治にわずか7毛差に肉迫する。現役選手でもヤクルト青木に次ぐ2位。ギータのすごみをあらためて証明する1日になった。

10年ドラフト2位で広島経大から入団し、数々の記録を打ち立ててきた。2軍での英才教育を経て13年から主力に成長。15年には打率3割、30本塁打、30盗塁の「トリプルスリー」を達成した。2度の首位打者や5年連続7度の3割、サイクル安打などホークスの顔としてチームを引っ張り続けてきた。

妥協なき姿がある。プロ14年目の35歳。ベテランと呼ばれ、チーム最年長野手の立場になった。実績を積み上げ続けるが、慢心は一切ない。オフの自主トレでは例年以上に瞬発系のメニューを取り入れ、36歳シーズンの体にムチを入れた。ここまで全21試合に先発出場。オフにウォーカーと山川が加入し、昨季以上に「指名打者」ではなく外野守備に就く機会も増えた。「体は全く大丈夫。ピッチャーを助けていきたいので」。5回の守備ではファウル飛球を追いかけ、フェンス際でスライディングキャッチ。雨の降りしきる試合だったが、ガッツあふれるプレーでチームを鼓舞した。

8-0の5回には二保から中越えの2点適時二塁打を放ち、勝負を決定づけた。13安打10得点の打線をけん引し、敵地でロッテに2連勝。貯金は今季最多の7に増やし、単独首位をがっちりキープだ。「シーズンは長いんでね。1戦1戦の気持ちでやっていきます」。4年ぶりのV奪回へ、背番号9はまだまだ打ち続ける。【佐藤究】

【動画】ソフトバンク柳田悠岐が好捕で魅せる! フェンス直撃しながらスライディングキャッチ