金メダルパワーを授かり、「満塁男」が躍動した。阪神木浪聖也内野手(30)は先制の絶好機に燃えていた。「よっしゃー! 満塁で回ってきた」。2回無死満塁。中日高橋宏の初球、156キロ直球を振り抜いた。痛烈な打球が遊撃手の頭上を越え、左前に弾む。走者2人が一気に生還。一塁上で白い歯がこぼれた。

「みんながつないでくれたので、なんとかここで(先発の高橋)遥人に楽に投げさせようと思いました」

相手は試合前時点で防御率0点台の超難敵。1打席目の初球を狙い打ちし、先制2点打を決めた。「全部ボールが良いので。初球から行くと決めて割り切っていけた」。これで今季の満塁時は13打数7安打。打率5割3分8厘と無類の強さを発揮している。

強力援軍のパワーをバットに宿した。この日のファーストピッチセレモニーに登場したのはパリ五輪レスリング女子76キロ級で金メダルを獲得した鏡優翔。木浪はサプライズで打席に入り、自身のファンと公言する鏡を喜ばせた。

メンタルコーチが同じ縁で以前からオンラインで交流があった。今をときめく金メダリストに「もう本当にひかれる笑顔をされていて。人柄に引かれて大好きになりました」と熱弁させるほどの魅力も武器だ。この日は初対面し、決勝打でエールに応えた。「直接話したこともなかったですし、いい思い出になりました」と人なつっこく笑った。

7回には先頭で右中間フェンス直撃の二塁打を放ち、3点目のホームに生還した。8回にも1死満塁で冷静に押し出し四球をゲット。7度の守備機会でも堅守を披露した。「遥人が投げる時はいつも内野ゴロが多いので。守備のことしか今日は考えてなかった。それがいい流れになって打つ方にもいけた」。最後は亜大の1学年後輩にも感謝。崖っぷちが続くチームに笑顔と勢いをもたらした。【村松万里子】

○…阪神の亜大コンビが初のお立ち台そろい踏みで、息の合ったほのぼのトークを披露した。高橋は1学年上の先輩と初めて並び「ちょっと付き合い長いので、まあうれしいです」と笑顔。木浪は「いやー、モゾモゾしてかわいいなと思いました」と笑った。木浪の変わらないところを聞かれた高橋は「本当にめちゃくちゃ優しくて、後輩になめられはしてないと思うんですけど、それぐらい優しいです」と独特の表現で尊敬。木浪は「本当に今のままというか、マウンドに立ったら人が変わるような感じになりますし、それ以外はのほほーんとした感じ」と話して聖地を和ませた。

【関連記事】阪神ニュース一覧