やっぱり4番が決めた! 阪神佐藤輝明内野手(26)が決勝二塁打を放ち、優勝マジック36を再点灯させた。同点に追いつかれた直後の延長10回2死二塁の好機で、ヤクルト6番手大西から右越え適時打。打点を67に積み上げ、26本塁打と合わせて2冠を走る主砲が、前日7月31日に一夜で消滅したマジックを再びともした。チームは高校球児に甲子園を明け渡す約1カ月の夏の長期ロード白星発進。今度はマジックを消さずにゴールへ突き進む。
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佐藤輝は二塁上で、何度も力強く手をたたいた。強烈な目力で、感情を爆発させた。攻撃が終了し、ベンチに戻ると「よっしゃー!」と叫び、ナインの出迎えを受けた。気持ちが入っていたかの問いに「そりゃそうでしょ!」とハイテンションで即答した。
「チカ(近本)さんがヒットで出た瞬間、チャンスで回ってくると思った。心の準備もできていたし最高の結果になってよかった」
9回裏に2-2に追いつかれて迎えた延長10回表。先頭近本が左前打で出塁し、2死二塁で打席が回った。一塁が空いていたが申告敬遠はなし。「勝負しにきているということ。負けるつもりはなかったのでよかった」。6番手大西の低めの落ち球をとらえた。右翼丸山和の頭上を越す決勝の適時二塁打。リーグ2位の13度目の決勝打で、一夜で消滅した優勝マジックを一夜で36にして再点灯させた。
神宮は天気も試合も荒れ気味だった。台風9号の影響で、試合前は一時大雨。強い風の向きもコロコロ変わった。ゲームは初回に阪神が先制し、6回に坂本の適時打で2点目を入れたが、7回に失点して1点差。勝利目前の9回1死から追いつかれて雲行きは怪しくなったが、10回に虎の主砲が試合を決めた。5回の森下の打球は逆風に戻される形の右飛になったが、最後の佐藤輝の打席は追い風で、白球はグングン伸びた。
試合後、また降り出した雨の中のお立ち台。虎党の大歓声に「日ごろから力になっていますし、今日もすごく後押ししてくれて最後、何とか抜けたと思います」と感謝した。夜空には雲が広がっていたが、東都のファンは晴れやかに勝利を喜んだ。
8カード23試合、約1カ月を甲子園以外で戦う夏の長期ロードに突入した。初戦を制した藤川監督は「最後に取り切れた。ロード1試合目を取れたのが大きい」と笑顔。「神宮のファンの方もうれしそうに最後までいてくれたので、スタンドの横を歩いている時に非常に、また明日頑張ろうという思いになっています」とさらなる力をもらった。
2位巨人とのゲーム差を今季最大の12に広げ、V奪回へのカウントダウンを再開した。佐藤輝は「このまま最後まで突っ走りたい」と気合十分。甲子園に戻る29日までに、どんどん時計の針を進める。【塚本光】
▼阪神○、中日●の結果、再び中日の自力Vが消滅し、阪神にM36が再点灯した。最初のマジック点灯から1日で消滅、1日で再点灯は97年西武以来、28年ぶり。97年西武は9月18日M12点灯→19日消滅→20日M10再点灯となり、10月3日に優勝を決めた。ほかにもパ・リーグでは89年オリックスが10月5日M8点灯→6日消滅→7日M6再点灯というケースが見られるが、セ・リーグでは今回の阪神が初めてだ。



