日本ハムの伏見寅威捕手(35)が、阪神島本浩也投手(32)との交換トレードで退団することが14日、発表された。22年オフにFAでオリックスから加入し、3季プレー。エース伊藤や「さちとらバッテリー」を組んだ山崎ら年下選手たちから慕われ、千歳市出身でファンからも愛された道産子選手が、故郷で数々の功績を残し、再び新天地で羽ばたく。
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穏やかな風貌の裏に、強烈な負けん気を秘める。プロ生活で一番苦労したことについて聞くと、7年目の19年に左アキレス腱(けん)を断裂した際の話を挙げた。周囲は励ましの声をかけてくれたが「もう捕手としては…」という声も聞こえてきたという。「その言葉で逆に“見返してやる”という気持ちになれた。“何を知ってんだ。ふざけんじゃねえ”って。でもそういう風に何も言われなかったら気持ちも燃えずに、さっと終わってたかもと思いますね」。翌20年に復帰すると22年にはオリックスの日本一に貢献し、同年オフ、FAで故郷北海道の球団に加入した。
東海大、オリックスを経て“帰郷”した道産子は「球場以外でも、いろんな人に声かけてもらったり連絡もらったりっていうのは、やっぱりうれしいですね」。3年間で若い投手や捕手の相談に乗り、時には鼓舞しながら育て、再び関西へ。坂本、梅野との激しい正捕手争いが待つが、逆境こそがベテランのエネルギー源だ。セ・リーグという新たなトライを、目いっぱい応援している。【日本ハム担当=永野高輔】



