西武は3月31日、本拠地ベルーナドームでのホーム開幕戦・オリックス戦を迎える。最高の試合となるべく、準備に余念もない。グラウンドキーパーたちが昼前から球場入りし、ナイターへ入念に準備する。

真新しい足元が多い。球団関係者によると実はキャンプ終了後、炭谷銀仁朗捕手(38)が日頃の「ありがとうございます」を伝えようと、グラウンドキーパーたちに人知れずスニーカーを進呈。ホーム開幕戦に合わせて新品に足を入れるスタッフが多かった。メンテナンス責任者の新井悠司さん(37)は「みんな喜んでいますよ」と深い感謝を口にする。

20代前半の若いスタッフが多い。目の前に有名選手がいても、職場である以上は公私混同が許されない。だからこそ“無言のコミュニケーション”がうれしい。現役球界最年長捕手からのプレゼント。「私たちの仕事で一番の消耗品はやっぱり靴です。土や砂が当たり前。新品もすぐに汚れます。だから銀さんの気持ちが本当にうれしいです」。プロだからもちろん毎日全力で球場を整備する。「それでも仕事へのモチベーション、さらに上がりますよね」と感謝を続ける。

複数の証言によると、炭谷は去年もこっそりスタッフたちに贈りものをしたらしい。プロ野球の環境は当たり前じゃない。多くの尽力があってこそ-。自分のことで精いっぱいになりがちな若手選手にも、少しずつ“恩返し”の意識が芽生えつつある。現在は2軍で待つ日々。打撃練習で本塁打性の当たりを打ち、中村剛に「うひょー!」と驚かれた炭谷に思いを尋ねようとした。「え~、何のことっすか~?」とすっとぼけながら食堂へ向かった。【金子真仁】