イタリア男は甘くない-。ボクシングのWBA世界ミドル級タイトルマッチで王者村田諒太(32=帝拳)に挑む同級6位エマヌエーレ・ブランダムラ(38=イタリア)が6日、ローマから成田空港に降り立った。

 到着ゲートから姿を見せると、会見場に移動する前にまず向かったのは空港内のカフェ。エスプレッソのシングルを自ら注文すると、サングラス越しに笑顔を浮かべて口をつけた。

 「コーヒーは大事だ」

 イタリア人と言えばエスプレッソのイメージに違わぬ言葉。砂糖は入れるのかと問われると、「よく聞いてほしい。コーヒーはブラックだ。本物のコーヒーだよ、それが。男前でしょ」と主張した。

 会見中にも口をつけて、飲み干したブランダムラ。4月15日に横浜アリーナで行われる試合でも、甘くなさそうだ。「国の期待を背負っているからね。大事な試合になる」と決意の表情をのぞかせる。現在は世界王者がいない故国の悲願のために、数多くのイタリアの有名ボクサーが練習に協力してくれたという。国内での注目度も上がっているそうで、村田攻略への秘策も練ってきた。具体的に問われると、「ここでは言えない」とけむに巻いた。

 ミドル級のリミット(72・5キロ)まではあと1・5キロで、順調な調整が続く。エスプレッソは試合日まで飲むそうで、イタリアにいるときのように1日4杯のペースを維持する。

 「濃いコーヒーは強さにつながる」と持論を支えに、日本での最終調整に入る。